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農業高校生たちのあつい夏! ~未来を拓く、高校生の力!~JICA筑波 農業高校 国際協力実体験プログラム2024を開催しました!

2024.08.30

JICA初となる農業高校生を対象とした高校生国際協力実体験プログラムが、8月9日(金)にJICA筑波で開催されました。今回参加したのは、茨城県、栃木県、埼玉県、三重県から集まった5校16名の高校生です。

本プログラムのテーマは「未来を拓く、高校生の力!」。同世代の仲間やJICA筑波で稲作を学ぶ研修員との熱い語り合い、学び合い、JICA海外協力隊になりきるワークショップを通し、世界の農業の現状や課題に理解を深め、「農業」という専門性を生かすことで、課題解決に向けて自分たちに何ができるか、どのような行動につなげられるかを考えました。また、「農業×国際協力」の現場で働く人たちとの交流を通して、農業の可能性に触れ、様々な進路やキャリアについても理解を深めました。当日の様子をご紹介します。

【プログラムの目的】
・農業を学んでいる高校生に、農業・農村開発分野での国際協力事業やキャリアについての紹介、またJICA研修員との交流を通して、開発途上国の農業の課題および当該分野のキャリア形成について理解や関心を高める。
・参加者が農業という専門性を生かして、国際協力にどう関わるか、自分たちにできること、どう行動につなげるかを考える。
・農業を学ぶ生徒や教員同士及びJICA筑波とのつながりを作り、広げる。

【参加校(順不同)】
茨城県立水戸農業高等学校
栃木県立真岡北稜高等学校
筑波大学付属坂戸高等学校
埼玉県立秩父農工科学高等学校
三重県立久居農林高等学校

農業高校出身の先輩の体験談

アイスブレーキングで緊張をほぐし、JICA筑波の農業分野の取り組みについて説明を聞いた後、多くの生徒が楽しみにしていた「農業高校出身の先輩」であり、現在JICA筑波にて、開発途上国から稲作を学びにくる研修員の指導を行っている丸山順平さんのお話を聞きました。
丸山さんが高校時代に取り組んだことや、国際協力を志すことになったきっかけ、アフリカ・カメルーンでのJICA海外協力隊の経験、またそれが今の仕事にどのように生かされているか紹介があり、全員が真剣に耳を傾けていました。最後に丸山さんから「自分達が今学んでいることに自信を持って!」という応援のメッセージがありました。

稲作研修員との交流

次に丸山さんが指導しているJICA筑波の稲作コースに参加しているアフリカ8か国、アジア1か国の研修員が登場しました。高校生は準備した自己紹介や学校紹介を英語で行い、研修員は自国の農業の特色や課題について紹介を行いました。開始時こそ少しだけ緊張した面持ちの高校生でしたが、次第に壁が無くなり、日本の農業高校の取り組み、研修員の稲作の様子や主要作物など、お互い興味深そうに話を聞いていました。和やかな笑顔いっぱいの交流となりました。

JICA筑波 農場ツアー

研修員との交流の後は、研修員たちが各国の稲作の課題解決のために実験を行っている田んぼを見に行きました。農業を学んでいる高校生だけあって、実験内容に関する専門的な質問がなされたり、指導者の方が見本にとくださった研修員の育てているネリカ米(アフリカのための新しいお米:New Rice for Africa)と日本米の稲穂をじっくり見比べたりとディープにJICA筑波の圃場を楽しんでいただきました!最後の写真撮影時には個別に生徒の方々が研修員に写真をお願いするなど、高校生が研修員たちと仲良くなっている様子も窺うことができました。
「農」を通した交流は、研修員たちにとっても充実した楽しい時間になったようです!

「農業×国際協力」の分野で働くJICA筑波スタッフやJICA海外協力隊経験者とのランチ交流

お昼はネリカ米を使用したJICA筑波レストランの特製お弁当を食べながら、農業分野で国際協力の仕事に携わっているコンサルタントの皆さんやJICAスタッフと交流しました。高校生は、「農業」という専門分野を生かした様々な仕事があること、またそのやりがい、多様なキャリアパスについて理解を深めました。

ワークショップ「もしJICA海外協力隊になったら!」

研修員との交流や国際協力の現場で活動してきた先輩の話を聞いた後は、ワークショップ「もしJICA海外協力隊になったら!」を行いました。高校生は、架空の国「バナナ国」の「バナバナ市」に農業隊員として派遣されます。
高校生には、派遣要請理由や背景、現地の農業の状況が記載された「JICA海外協力隊 要請シート」や、村長、農家、村の若者たち等の様々な関係者の声が書かれた「インタビューシート」が配布されました。
課題となっている原因は何なのか、どのような取り組みが必要なのか、自分達に出来ることは何か…、現地の人たちに思いを馳せ、悩みながらも、各グループ、1人1人が学校で学んでいる作物栽培や農業の知識、経験やアイデアを集結させ、活動計画を完成させました。

そして、最後に自分達が考えた活動計画を発表。各グループのファシリテーションを務めた協力隊経験者の先輩からフィードバックやあたたかい応援の言葉が送られました。具体的な農業課題の解決だけでなく、解決に導くために信頼関係の構築が必要と考え、スポーツ大会の実施という発想にたどり着くグループもありました。

ふりかえり

最後は、各グループで「今日のプログラムを通して印象に残ったこと」、「今の気持ち、これから新たに取り組んでみたいこと」について振り返りました。同じ志を持つ仲間と出会い、想いを共有できたことがうれしく励みになった、農業や語学の勉強を頑張りたい、国際協力への仕事やJICA海外協力隊への関心が高まった!という声が多く聞かれました。

プログラム開始時こそ緊張していた高校生でしたが、新しい体験や出会いに飛び込んでいき、生き生きと交流や発表を行っている姿が印象的でした。私達も農業を学ぶ高校生の持つ力、知識の深さ、発想力から気づきや学びを沢山いただきました。

プログラム終了後、JICA筑波から自宅への帰路で、一生懸命に英語を勉強する生徒さんの姿があったという報告もいただきました。
今日の体験が、高校生の皆さん今後の学校生活の充実にお役に立ち、将来の選択のきっかけや背中を押すものであれば、私達もとてもうれしく思います。

参加いただいた高校生の皆さん、引率頂いた先生方、本当にありがとうございました!

●参加者からの声

【生徒】
・知識を共有される場とワークショップなどで参加・体験をする場が交互に取られていて、素晴らしい体験ができた。
・色々な方と交流し、様々な問題に皆と協力して取り組めたのが良かった。
・英語は意外となんとかなることに気付いた。今後も英語と農業の勉強を頑張ろうと思います!
・とても楽しく充実した時間だった。自分から積極的に行動したことで、深い学びを得ることができた。

【教員】
・内容が盛りだくさんで、職員の方、研修員の方等の生のお話が聞けたのが良かった。生徒の新たな一面を見ることが出来た。
・現役の先生方との意見交換、ネットワーク作りが出来た。
・JICA協力隊経験者の方のご講演や研修員の方との交流、ワークショップと盛りだくさんでしたが、すべて楽しみながら学習になった。
・プログラムの内容と質が、農業高校生にとても適していたと思う。教員として、今日の学びを今後の授業実践にいかしていきたい。

◆事後課題として提出いただいた本プログラムの感想動画を近日中に公開予定です!こちらもお楽しみに!

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