【報告】地域理解プログラム「地域資源を活かした街づくり!笠間市の魅力」を実施しました
2024.11.15
2024年11月9日(土)、10日(日)の2日間、地域理解プログラム「地域資源を活かした街づくり!笠間市の魅力」を実施しました。本プログラムでは、筑波大学や宇都宮大学、足利大学で学ぶJICA長期研修員32名が茨城県笠間市を訪れ、地域振興の取り組みについて学びました。
笠間稲荷神社にて
「地域理解プログラム」は、JICA研修員が日本の各地で培われてきた地域特有の開発事例から日本の開発経験の理解を深め、母国の開発に活かしてもらうことを目的に実施しています。今年度は栗栽培面積と農業経営体数が全国第一位の笠間市の協力を得て、市の観光や地域振興における行政・関係団体の取り組みについて理解を深める内容としました。
1.笠間市役所
笠間市役所を訪問し、JICA筑波の高橋所長と共に、山口伸樹市長はじめ職員の皆さんへご挨拶をしました。
山口市長からは、笠間市では人口減少が進む中、豊かさを維持していくために地域資源を活かし産業の活性化を図っているとお話がありました。「訪問先で笠間市の元気があるところを肌で感じ、その知見や経験を母国で活かしていただきたい。二日間ぜひ楽しんでくだい。」とメッセージを頂きました。
笠間市役所にて記念撮影(中央左:笠間市 山口伸樹市長、中央右:JICA筑波 高橋亮所長)
笠間市産業経済部礒山浩行部長から市における地域活性化の取り組みとして「栗」「菊」「笠間焼」などの観光コンテンツによる地域振興やそれらを組み合わせた観光客誘致の施策をご説明いただきました。また、農家の高齢化対策としてICT活用による省力化、農産物ブランディングによる付加価値向上の工夫についても教えていただきました。
笠間市産業経済部 礒山部長の講義
質問やコメントする留学生「モロッコにも伝統工芸の焼き物がある。笠間やモロッコで行う工芸フェスティバルでコラボできたら」という声も
2.笠間の菊まつりで日本の文化、歴史を学ぶ
国内で最も古い菊の祭典「笠間の菊まつり」を見学しました。笠間観光協会コンシェルジュから英語でご案内いただき、日本三大稲荷の笠間稲荷神社の歴史や県内屈指のパワースポットとして様々な御利益があることなどの説明を受けました。
コンシェルジュのレクチャーを受ける研修員
笠間稲荷神社や門前通りを散策
手水舎にて参拝前に心身の浄化のため手水を行う留学生
3.地域おこしについて白熱したグループディスカッション
笠間市地域おこし協力隊の荒木弥子さん(栗農家へ新規就農)と三宅輝明さん(笠間の栗を活用した商品開発)から地域おこし活動について発表頂きました。発表後に研修員がグループに分かれて、笠間市の地域振興についてディスカッションを行い、模擬観光ツアーを考案、発表しました。
地域おこし協力隊の方にもアドバイスいただきディスカッション
「ロープウェイを設置し、笠間の素晴らしい景色が一望できたら」と発表するチーム
各チームの発表に拍手で評価するJICA留学生
発表では、「キャンプ体験と組み合わせた笠間の陶炎祭」などの自然を活かした案や「若いカップルに笠間で美味しい栗のスイーツを一緒に食べて栗や笠間を好きになってもらい、笠間への定住を促す」といった高齢化・少子化の地域課題を解決策も挙がりました。
1.カサマロンカフェ訪問
旧笠間市立東中学校の廃校舎を活用した「カサマロンカフェ」を訪れ、笠間の栗を加工した「和栗モンブラン」を試食しました。
「美味しい」とモンブランを味わう研修員
カサマロンカフェを運営する株式会社アドバンフォースの海老澤祥さんの講義では、同社が事業を通じた地域貢献を目指し、障がい福祉サービス事業を中心に、プロ野球BCリーグチームの運営を行う等の多角的な経営や、障がい者の雇用創出のために自治体と連携し農業へ参入し、栗の生産から加工・販売を行う取り組みをご説明頂き、「農業×福祉」の可能性や地域連携について学びました。
栗の加工場見学(写真左:(株)アドバンフォースの海老澤さん)
2.笠間焼手ひねり体験
「笠間工芸の丘」を訪問し、笠間焼の手ひねり体験に挑戦しました。研修員たちは自由な発想や個性を活かし、笠間焼の制作活動を満喫しました。
笠間焼体験について指導員の方の説明を受ける研修員
自由な発想で世界に一つだけの笠間焼を制作
3.茨城県陶芸美術館
茨城県陶芸美術館を訪問し、近代陶芸の巨匠、板谷波山(1872-1963)や笠間市出身の人間国宝、松井康成(1927-2003)など日本陶芸界の最高峰の作品を見学し、陶芸の素晴らしさを感じ、日本の伝統工芸への理解を深める時間となりました。
茨城県陶芸美術館にて
2日間のプログラムを通じて、研修員は笠間市の地域振興・地域活性化の取り組みを学び、日本の地域開発や地域が抱える課題に対する施策について理解を深めることができました。プログラムで得た学びが母国の発展に活かされることを願っています。
ご協力頂きました関係者の皆さま、本当にありがとうございました。
栗ポーズで記念撮影(カサマロンカフェにて)
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