【開発教育】教師海外研修(ウガンダ) 授業実践レポート 栃木編
2025.01.16
JICA筑波 教師海外研修は、教員の方々が実際に開発途上国を訪問することにより、途上国が置かれている現状や国際協力の現場、途上国と日本との関係に対する理解を深め、帰国後は学校現場での授業実践等を通じて、児童生徒の教育に役立てていただくことを目的として毎年実施しています。
今年、JICA筑波では、茨城県・栃木県から校種・教科の異なる8名の先生達が参加し、7月末にアフリカのウガンダを訪れました。
9月からは、それぞれが学んだことを児童生徒に還元すべく、続々と授業実践が始まっています。今回は、9月から10月にかけて授業を実践した栃木県の4名の先生の取組をご紹介します。
●栃木県立のざわ特別支援学校 北平浩美先生
北平浩美先生は、栃木県立のざわ特別支援学校で英語を教えています。今回は高校2年生の論理・表現Ⅰの時間で授業を実践しました。北平先生はそれまでの授業でウガンダと日本の共通点と違い、ウガンダのすてきなところと課題を生徒に考えてもらい紙にまとめていました。今回の授業では、次のステップとしてウガンダの課題がなぜ生じているのかを皆で話し合い、因果関係図を作りました。そして、課題の理由を考えた上で、どのような解決方法が有効か話し合いました。生徒たちはウガンダの課題について自分の考えを表現し、北平先生がコメントすることで、生徒たちがより深い洞察へと導かれる姿が見えました。次の授業で、生徒たちは自分の考えた解決策を英語で表すことを目指します。
●栃木県立足利南高等学校 後藤千春先生
栃木県立足利南高等学校の後藤千春先生は、地歴公民科の地域研究(学校設定科目)の授業でウガンダを扱いました。後藤先生は、ウガンダで撮影した学校や食べ物、笑顔の写真を活用し、地元の写真とウガンダの写真を見て、それぞれ自分がそこにいたら何を思うかを生徒に考えさせました。また、後藤先生が調理したマトケを試食し、現地の食べ物を体験し盛り上がる場面もありました。それぞれが感じたこと、考えたことを共有しリアクションすることで、生徒たちはウガンダも日本も「同じ空の下」にいるという思いを強くしていました。
写真①のざわ特別支援学校
写真②足利南高等学校
●栃木県立佐野高等学校 増田萌先生
栃木県立佐野高等学校の増田萌先生は、総合的な探究の時間で生徒たちがウガンダの難民受け入れについて考える機会を設けました。ウガンダについて基本的な知識を学んだ後、ウガンダが難民を受け入れ続けることのメリット・デメリットを考え、グループで共有し、デメリットをメリットに変える方法までを話し合いました。難民という難しいテーマでしたが、生徒が自分事として捉えるきっかけとなっていました。
●佐野市立北中学校 土井菜奈子先生
佐野市立北中学校の土井菜奈子先生は、ウガンダで撮ってきた写真を英語の授業の題材に使いました。生徒たちは、ウガンダの写真の中から3枚選び、ペアワークでお互いに選んだ写真をタブレットで見せながら英語で説明しました。活動は1回で終わらず、ペアを変えながら繰り返すことで、生徒たちの話す英語が少しずつ進歩していく姿が見られました。ペアワークの最後に生徒たちはお互いの説明を録画し、後日見返し自己評価をする予定です。活動全体を通して、生徒たちのウガンダについて伝えたいという気持ちが伝わってきました。
写真③佐野高等学校
写真④北中学校
2月8日(土)に、JICA筑波で教師海外研修(ウガンダ)の成果報告会を開催します。今回ご紹介した4人の先生方も、発表予定です。ご関心がある方はぜひ、お申込みください。(栃木県では2月22日(土)にもとちぎ国際交流センターにて報告会を開催します)
●JICA筑波 教師海外研修(ウガンダ)成果報告会の詳細・お申込みはこちらから
2024年度 国際理解教育セミナー 第3回「教師海外研修(ウガンダ)成果報告会」
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