【地元企業が活動中】栃木県芳賀町・ドンカメ社が東ティモールで実施する”草の根技術協力事業”の現場をお伝えします
2025.01.22
【地元企業が活動中】栃木県芳賀町・ドンカメ社が東ティモールで実施する”草の根技術協力事業”の現場をお伝えします
栃木県芳賀町にある有限会社ドンカメが東ティモールで実施する草の根技術協力事業「未利用資源の堆肥化を軸とした資源循環システム構築のための人材育成及び組織化支援事業」の現場を視察しましたので、その活動の様子をご紹介します。
●草の根技術協力事業について
草の根技術協力事業は、日本のNGOや民間団体、地方の行政機関、大学などが、開発途上国の住民に向けて実施する国際的な活動です。この活動では、地域の経済や社会を向上させることを目的としており、実施する団体は自らの利益を追求せずに活動します。
・草の根技術協力事業についてはこちらから:
草の根技術協力事業 | 事業について - JICA
●ドンカメ社が実施する草の根技術協力事業について
東ティモール・ヴィケケ県において資源循環型社会の構築を目的としています。未利用資源の活用、堆肥を使った野菜栽培や養鶏事業を推進することで、農業生産性の向上と住民生活の改善を目指します。具体的には、家庭ゴミを集めるエコステーションを設置して分別やリサイクルの仕組みを導入し、また堆肥を活用した農業技術を指導しています。さらに環境対策推進員を通じて住民や小中学校での環境教育を行うことで、地域全体の意識啓発を図ります。
【ヴィケケ県での活動の様子】
・ヴィケケ県知事・ヴィケケ市長との面談
草の根技術協力事業は相手国の人々と共に事業を行っています。ドンカメはヴィケケ県知事、ヴィケケ市長など多くの人々と一緒に活動しています。本事業は地域の経済、社会のために活動するため、現地の人と目線や想いを共有することが大切です。そのため、何度も面談を行うことの重要性を実感しました。
・農業グループへ栽培技術の指導を行う
ヴィケケ県内の4地域の農業グループに対して養鶏・野菜栽培指導を行っています。現地で指導するほか、農業グループの代表者を日本に招き、農業研修を実施しました。
日本研修を受けたピカリン村のジョゼさんは、学んだ技術で白菜やトウモロコシを栽培し、売上を3倍に伸ばしました。またラクルタ村のマルティンスさんは学んだスイカを栽培し、さらに日本で知った点滴灌漑を導入しました。点滴灌漑はホースから水を少しずつ作物の根元に供給する方法で、水の節約と効率的な農業を実現します。
・首都ディリにて活動報告会も実施
東ティモールの首都ディリでドンカメの最終報告会が行われました。ヴィケケ県関係者や東ティモール国農業省、現地の日本国大使館関係者など45名が参加。ドンカメから現地での環境対策、畑作事業、養鶏事業、日本での研修成果を発表しました。質疑応答では「堆肥技術を活かしたコーヒー栽培とは?」「事業をディリ市内にも展開してほしい」といった質問や要望が寄せられ、関係者の高い関心がうかがえました。この事業の成果が、将来、東ティモール全体に波及することが期待されます
JICAでは草の根技術協力事業をはじめ、市民の皆さんが国際協力を行うための制度を整えています。「国際協力に関心がある」「自分たちも挑戦してみたい」などと思われた際には、お近くのJICA国内拠点、各県に配置されたデスクにお問い合わせください。
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