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【報告】高校生国際協力実体験プログラム2024(栃木県)開催

2025.01.27

【日程と参加者】
日時:2024年12月14日(土)9:30~16:00
場所:とちぎ国際交流センター
参加者:高校生28名(栃木県内の10の高校から参加)

【概要】
JICA筑波は、栃木県内の高校生が、多文化共生をテーマに、実際に活動する方々の経験談やアクションプラン作成ワークショップ、同じ思いや関心を持つ他校の生徒とのディスカッションを通して、多様性や個性を認め合える社会について考えることを目的に、「高校生国際協力実体験プログラム2024」を開催しました。参加者は、研究者による講義、JICA海外協力隊経験者による日本での取り組みの話などから多文化共生への理解を深め、自分たちに何ができるのかを考え、アクションプランを発表しました。当日の様子をご紹介します。

【多文化共生の導入講義】
宇都宮大学のアギーレ・ヘレーラ・マリエル・ナルミ講師を迎え、多文化共生の導入講義を行いました。アギーレさん自身もペルーにルーツを持つことから、個人の経験談も交えながら講義が行われました。多文化共生の定義に始まり、その言葉が使われるようになった背景や、日本や栃木県における外国人人口の推移、外国人住民の現状、そして多文化共生の取り組み事例について学びました。また、参加者を「日本人」と「外国人」の立場に分け、それぞれが学校や友達に望むことを優先順位の高い順にカードを並び替えるワークショップも行われました。参加者にとって、多文化共生を体系的に学び、多様な意見や価値観があることを深く認識する機会となっていました。

<アギーレ講師による導入講義の様子>

<アギーレ講師による導入講義の様子>

【多文化共生に取り組む人の経験談】
栃木県立学悠館高等学校定時制の日本語指導支援員である高山由貴さんを講師に迎え、多文化共生に取り組む人の経験談を行いました。高山さんからは、現在携わっている多文化共生の仕事や活動内容、JICA海外協力隊での「外国人」としての経験を交えつつ、多文化共生を考えるポイントについて学びました。ポイントについては、「そもそも違うのが当たり前なのではないか」という視点から、文化という括りに限定せずに、一人ひとりの心身の余裕にもつながっていくことが伝えられました。参加者は、自身の経験と結びつけつつ、多様性に対する視点を考えているようでした。

<経験談を語る高山講師>

<経験談を語る高山講師>

【多文化共生と栃木県国際交流協会・JICA】
本プログラムの会場にある公益財団法人栃木県国際交流協会(TIA)の鵜山雄一職員から、講義が行われました。在日外国人にとって、言葉・文化・制度の3つの壁があることが解説されたうえで、相談・日本語・災害をキーワードとして、TIAの事業について分かりやすい説明が行われました。また、JICAから、ボランティア事業や開発教育支援、外国人材受入支援など、JICAが多文化共生でどのような役割を担っているのか、世界と日本でどのような働きをしているのかについて説明が行われました。

<事業を紹介するTIA鵜山職員>

<事業を紹介するTIA鵜山職員>

【アクションプラン作成ワーク ~多様な人々の共生のために私たちができること~】
全体のまとめとして、多様な人々が共生できる地域社会や学校を創るために、自分たちやその周りで実践できるアプローチを、学校ごとにグループに分かれて考えました。各グループでは、多文化共生に関する様々な課題や解決策について活発な意見交換が行われました。例えば、文化の違いを受け入れられる地域を形成するために、地域内での交流の場を創り出すプランや、多文化共生を「当たり前」にするために、一人ひとりの意識の変容を促すプランが作成されました。最後に、各グループが作成したアクションプランの発表を行いました。どのグループも、多様な人々が共生できる社会を実現するために、高校生としてできることを真剣に考え、具体的なアクションプランを発表しました。今回のプログラムを通して学びと経験を得た高校生が、持続可能な社会の創り手として、学校や地域など、さまざまな場所でアクションを起こしていくことを期待しています!

<アクションプラン作成での活発な議論>

<アクションプラン作成での活発な議論>

<アクションプランの発表と意見交換>

<アクションプランの発表と意見交換>

【参加者の感想】 
・多文化共生について、様々な視点から今まで以上に深く考えることができた。
・自分自身の行動や言動を振り返る良い機会になった。
・多様な人々が共生できる社会を実現するために、自分たちにできることを考えることができた。
・アクションプランの作成を通して、多文化共生について具体的なイメージを持つことができた。
・多様性の問題に対して、解決できることは実行していきたいと思った。

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