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【報告】高校生国際協力実体験プログラム2024の実施〜茨城編〜

2025.01.27

【日程と参加者】
日時:12月21日(土)9:00~16:00
場所:JICA筑波
参加者:高校生38名(茨城県内の9の高校から参加)

【概要】
JICA筑波は、茨城県内の高校生が、多文化共生をテーマに、実際に活動する方々の経験談やアクションプラン作成ワークショップ、同じ思いや関心を持つ他校の生徒とのディスカッションを通して、多様性や個性を認め合える社会について考えることを目的に、「高校生国際協力実体験プログラム2024」を開催しました。参加者は、研究者による講義、日本で多文化共生や外国人支援に取り組む方々の話などから、多文化共生への理解を深め、自分たちに何ができるのかを考え、アクションプランを発表しました。当日の様子をご紹介します。

【多文化共生の導入講義】
ノートルダム清心女子大学の長村裕佳子講師を迎え、多文化共生の導入講義を行いました。長村講師は、移民や日系社会、多文化共生を専門とする研究者で、講義では、多文化共生の定義や考え方、これからの社会での重要性について、在日ブラジル人などの具体的な事例を交えつつ学びました。また、ワークショップでは、参加者をグループに分け、やさしい日本語で話すロールプレイングを行いました。参加者にとって、多文化共生を体系的に学び、マイノリティの立場について深く考える機会となっていました。

<長村講師による講義の様子>

<長村講師による講義の様子>

【多文化共生に取り組む人の経験談①】
茨城NPOセンター・コモンズの横田能洋代表理事を講師に迎え、多文化共生に取り組む人の経験談を行いました。横田さんからは、茨城県で外国にルーツを持つ人々を長年支援してきた経験から、多文化共生に取り組んでいる経緯や在日外国人が直面する課題、事業内容などについて講義が行われました。コモンズの取り組みについては、空き家を活用した居場所づくり、保育園や学習支援などが紹介されました。そして、無自覚の差別を認識して、「異質ではなく異なる才能がある人」と発想を変えることが大切とのメッセージも伝えられました。参加者は、多様な人々が自分らしく暮らせるようにするための具体的な支援のイメージを持てたようでした。

<外国人の抱える課題を解説する横田講師>

<外国人の抱える課題を解説する横田講師>

【多文化共生とJICA】
JICAから、ボランティア事業や開発教育支援、外国人材受入支援など、JICAが多文化共生でどのような役割を担っているのか、世界と日本でどのような働きをしているのかについて説明がありました。事例として、外国人材受入支援や日系サポーターなどが紹介されました。

【多文化共生に取り組む人の経験談②】
JICA海外協力隊経験者の坂本未生さんを講師に迎え、2つ目の経験談を行いました。坂本さんからは、JICA海外協力隊でナミビアに渡り、異なる文化の中で暮らした経験や、帰国後の在日外国人との関わりなどについて紹介が行われました。現地での経験としては、現地の人々の生活習慣や文化、価値観の違いに直面した経験が紹介され、他者を尊重することが大切とのメッセージが伝えられました。参加者にとって、多文化共生をより身近に感じ、考える機会になったようでした。

<海外協力隊の体験談の様子>

<海外協力隊の体験談の様子>

【アクションプラン作成ワーク ~多様な人々の共生のために私たちができること~】
全体のまとめとして、多様な人々が共生できる地域社会や学校を創るために、自分たちやその周りで実践できるアプローチを、学校ごとにグループに分かれて考えました。各グループでは、多文化共生に関する様々な課題や解決策について活発な意見交換が行われました。例えば、コミュニケーションを介した関わり合いのために、学校・地域での交流の推進や支援ツール開発を行うプランや、誰もが不自由なく暮らせる社会のために、包摂的な情報インフラや教育を普及させるプランが作成されました。最後に、各グループが作成したアクションプランの発表を行いました。どのグループも、多様な人々が共生できる社会を実現するために、高校生としてできることを真剣に考え、具体的なアクションプランを発表しました。今回のプログラムを通して学びと経験を得た高校生が、持続可能な社会の創り手として、学校や地域など、さまざまな場所でアクションを起こしていくことを期待しています!

<参加者で真剣に議論する様子>

<参加者で真剣に議論する様子>

<考えたプランを発表する様子>

<考えたプランを発表する様子>

【参加者の感想】 
・多文化共生について、今まで漠然としたイメージしかなかったが、具体的な課題や取り組みを知ることができ、とても勉強になった。
・各学校と成果を共有したり講義を聞いたりすることで、SDGsへの視点が変わった。
・海外協力隊の経験者の実際の話を聞くことができ、多様な文化がある中での共生について主体的に考える機会を得られた。
・具体的な事例を用いて、多角的に多文化共生を捉えることができた。
・他の参加者と多様な意見交換ができ、多文化共生に対する理解を深めることができた。

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