『研修事業』で活躍する 元JICA海外協力隊
2025.02.12
JICA筑波で2024年度にアフリカや南アジア地域向けに実施した課題別研修「マルチセクターで取り組む食を通じた栄養改善(A)・(B)・(C)」コースにはかつてJICA海外協力隊(以下、協力隊)として活動し、帰国後は日本で生活しながらも様々な立場で関わる方々がいます。
日本に来日する研修員の国で実際に活動・生活した経験を活かし、今度は日本に研修員を受け入れる立場となり、どうしたらより良い研修が提供できるか関係者での協議はつきません。
帰国した協力隊の方、現在派遣中の方、国際協力の道に興味関心がある方向けに協力隊の経験と“研修事業”への想いを関係者に聞いてみました。
※氏名(派遣国・職種)、所属(2025年2月時点)を記載しております。
協力隊の活動を通じて、栄養課題につながる”背景”を体感したことは、業務にあたる際の原点になっています。お米山盛りの食事が幸せという価値観、薪を使った調理の重労働(時間も労力もかかる)、栄養に欠かせない肉や卵は高価で保存も難しいという現実、水汲みから始まる1日、でも子どもの健康を願うのはどの家族も同じであること、コミュニティのために働く人々がたくさんいること...。
隊員時代に暮らしていた情景をいつも頭の中に描くことで、理想論に終始しない研修を作り上げることを心がけています。
また、協力隊から戻り、私にも日本に家族ができました。日本での生活をベースにおきながら、世界中から来日する方と一緒に仕事ができることも研修事業の魅力です!
協力隊時代に取り組んだ健康グループとの活動や環境教育ではマイペースに、しかしじっくりと相手の行動や常識の背景やその経緯に考えを巡らせる時間を得られました。元協力隊員の多い職場は、「考える農民」 「考えるファシリテーター」などへの強い思い・共通認識を持つ同志の集まりです。先進国ならでは経験した失敗や貴重な視点を活かした大局観を持って、途上国からの研修員と望ましい発展を共に考えていく研修の仕事には深い価値・魅力を感じています。
帰国から15年経った現在、家族の育児・介護に関わりながらも機会あるごとに研修員達から途上国の風を感じ、微力でも国際協力推進の力になれることは大きな喜びです!
(※村落開発普及員:現在はコミュニティ開発)
研修のタイトルが「マルチセクター」というだけに、派遣国も経験も様々ですが、日本に研修員として来日する方の国や組織での活動経験があるからこそ、常に現地の状況をイメージしながら各国の栄養課題に取り組む研修員に寄り添って研修を実施できるのは『元JICA海外協力隊』の強みではないでしょうか。
ご紹介した方以外にも、講師など複数の元JICA協力隊が活躍中です!
JICA(独立行政法人 国際協力機構)が分野横断的に取り組んでいる、「栄養改善」に向けた取り組みや活動を紹介したり、途上国の栄養改善に関する情報を発信するページです。
https://www.facebook.com/jicanutrition/
国際協力に関心がある方向けにJICAインターンシップ・プログラムを実施しています。研修事業について興味関心がある方はJICA筑波で実施のポストにぜひご応募ください!
詳しくはこちら→https://www.jica.go.jp/about/recruit/intern/index.html
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