【報告】JICA留学生が科学技術を体感!「スーパーサイエンスシティつくば」を学ぶ地域理解プログラムを実施
2025.08.27
母国の発展に貢献することを目指して日々、日本の大学院で研究に励むJICA留学生たち。JICA筑波では毎年、留学生たちが日本の地域に根差した開発事例を学ぶ「地域理解プログラム」を開催しています。今回、2025年7月23日(水)、24日(木)の2日間にわたり、「Super Science City Tsukuba ~科学技術でより良い未来社会の実現を目指すつくば市の取り組み~」をテーマに実施しました。当日は筑波大学と宇都宮大学から25名の留学生が参加し、つくば市のスーパーサイエンス構想や科学技術の推進事例を学びました。
1.つくば市役所で未来都市の姿を学ぶ
プログラムはつくば市役所での講義からスタート。つくば市の担当者から科学技術拠点都市としての歴史やつくばスーパーサイエンスシティ構想について説明を受けました。「スーパーシティ型国家戦略特別区域」に指定されているつくば市は、現在、自動運転バスやインターネット投票などの地域が抱える課題を解決して暮らしを便利にする先端技術の実証を進めています。近未来の生活を想像させる先端的サービスに留学生たちは興味津々。「英語対応の医療サービスを拡充してほしい」といった要望や、「民間との連携では各種技術の知的財産権はどのような整理になっているのか」などの多くの質問を寄せていました。講義の後は、パーソナルモビリティとしてつくば市が実装実験中の自動追従型荷物搬送ロボット「サウザー」が登場。留学生が歩くとロボットがスイスイとついてくるデモンストレーションに、留学生たちから歓声が上がりました。
2.ロボットスーツHALを装着してみた!
次に訪れたのは、筑波大学発のベンチャー企業CYBERDYNE社。ここで留学生たちはロボットスーツHALを体験しました。HALは人の動きを読み取ってサポートしてくれる装着型のサイボーグで、医療や介護など幅広い分野で活躍しています。留学生たちはセンサーを腕に貼り、自分の動きがロボットに反映される感覚を体験。初めてのロボット体験に笑顔を見せていました
3.高校生の英語での研究発表に驚き!
2日目は、スーパーサイエンスハイスクールに指定されている茨城県立並木中等教育学校へ。同校5年生(約150名)と小グループに分かれて交流しました。留学生が自国の文化を紹介した後、生徒たちが研究成果を英語で発表。生徒たちが通訳なしで本格的な研究発表を行う様子に、留学生たちは「まるで大学生みたい!」と驚き、学校教育を通じて科学技術人材を育成する試みに高い関心を寄せていました。
4.宇宙への夢が広がるJAXA見学
最後に訪れたのはJAXA筑波宇宙センターです。宇宙飛行士の訓練施設や国際宇宙ステーション「きぼう」の運用管制室を見学しました。留学生たちは実物大の人工衛星や本物のロケットエンジンなどを興味深く見学し、日本の宇宙開発への理解を深めました。
■参加した留学生の声(抜粋)
・科学技術開発の促進における日本政府のコミットメントを学ぶことができた。
・科学技術への戦略的投資が地域開発を推進することを学んだ。
・母国に応用できる実践的なアイデアを得ることができた。
2日間のプログラムを通してJICA留学生たちは、科学技術の可能性と、それを社会に活かすための工夫を体感しました。つくば市で見た未来の姿は、いつか留学生の母国にも広がっていくことでしょう。
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