【報告】高校生国際協力実体験プログラム2025の実施〜茨城編〜
2026.01.27
日時:12月20日(土)9:00~16:00
場所:JICA筑波
参加者:高校生49名(茨城県内の15の高校から参加)
JICA筑波は、茨城県内の高校生が、多文化共生をテーマに、ゲスト講師によるインプットや同じ思いや関心を持つ他校の生徒とのディスカッションを通して、多様性や個性を認め合える社会について考えることを目的に、「高校生国際協力実体験プログラム2025」を開催しました。参加者は、研究者による講義、JICA海外協力隊経験者による現地での生活や活動に関する話などから多文化共生への理解を深め、自分たちに何ができるのかを考え、アクションプランを発表しました。当日の様子をご紹介します。
常磐大学の飯野令子教授を迎え、「茨城県の多文化共生を考えるー言語の視点からー」と題した導入講義を行いました。飯野教授は、JICA海外協力隊での日本語教師や茨城県国際交流協会の日本語教育アドバイザーとしての経験も持っています。講義では、茨城県における在留外国人の現状や多文化共生の概念について学びました。また、「やさしい日本語」のポイントを学び、相手の立場に立ったコミュニケーションを実践するワークも行われました。参加者にとって、身近な地域の現状を知り、言葉の壁を越えた関係構築をするための具体的なアプローチを深く考える機会となりました。
<飯野教授による講義の様子>
JICA海外協力隊としてスリランカに派遣されていた倉田桃子さんを講師に迎え、経験談が語られました。倉田さんからは、現地での活動紹介に加え、スリランカで自らが「外国人(マイノリティ)」として過ごした2年間のリアルな経験が語られました。食事や気候、生活習慣の違いに直面した際、それらを単に「困ったこと」で終わらせるのではなく、相手の文化を尊重し、適応しようと試行錯誤したことなどが紹介されました。参加者にとっては、異なる環境で自分が「マイノリティ」になり、その経験から相手の立場に立った視点が養われることを学ぶ貴重な機会となっていました。
<JICA海外協力隊の経験談>
JICAから、ボランティア事業や開発教育支援を通じて、JICAが多文化共生でどのような役割を担っているのか、世界と日本でどのような働きをしているのかについて説明がありました。事例として、日系サポーターなどが紹介されました。
JICA筑波には、さまざまな知識・技術習得や研究に励む開発途上国の行政官等が、研修員として滞在しています。本年度のプログラムでは、実際に他の国・地域の文化や習慣や考え方に触れるために、研修員と昼食をともにし、意見交換を行う時間を設けました。自由に話をしながら食事をした後、「人々の背景にはどのような多様さがあるか?」「研修員の国々では、人々の多様な背景を踏まえた意識や行動にどのようなものがあるか」などのトピックについて、グループディスカッションを行いました。参加者には、限られた時間でも積極的に話そうとする様子が見られ、双方にとって貴重な経験になっていることがうかがえました。
<研修員との交流・ディスカッション>
全体のまとめとして、多様な人々が共生できる地域社会や学校を創るために、自分たちやその周りで実践できるアプローチを、学校ごとにグループに分かれて考えました。例えば、空き家を活用して多様な国籍の人が集まるシェアハウスを運営し、地域住民との交流イベントを開催するプランや、身近な公共交通機関や商店に「やさしい日本語」のポスターを掲示して言葉の壁を低くするプランなどが作成されました。また、学校の授業への多文化共生の導入など、高校生ならではの視点のアイデアも多く出されました。最後に、各グループが作成したアクションプランの発表を行いました。どのグループも、差別や偏見をなくし、お互いを尊重し合える社会を実現するために、高校生としてできることを真剣に考え、具体的なアクションプランを発表しました。今回のプログラムを通して学びと経験を得た高校生が、持続可能な社会の創り手として、学校や地域など、さまざまな場所でアクションを起こしていくことを期待しています!
・実際に様々な国の方と話し、地域課題について議論する中で、今まで経験したことのない新しい視点を得ることができた。
・外国人との交流を通して、価値観の違う人々が共に生きる「多文化共生」ができる社会にするための考えが、より確実なものになった。
・自分のこれまでの考え方を見直し、多文化共生に対するイメージがガラッと変わり、新しい見方ができるようになった。
・講義だけではなく、他校の生徒との意見交流を通して、自分一人では気づけなかった視点や知識をたくさん得ることができた。
・世界の課題について、体験した本人から直接話を聞くことで、自分ができることを真剣に考え、社会の役に立ちたいという意欲が湧いた。
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