【OJTレポート】JIRCAS八幡台圃場を訪問!
2026.06.12
JICA筑波は、2026年5月11日から22日にかけて、JICA本部で勤務している新人職員6名を受け入れ、OJT(職場内訓練)を実施しました。新人職員がOJTで経験した内容をフレッシュな視点でまとめた記事をシリーズで紹介します。
2026年5月18日、JICA筑波の課題別研修「気候変動の解決策として有望な農業技術」に参加している10か国か国12名の研修員が、つくば市にある国立研究開発法人国際農林水産業研究センター(JIRCAS)の八幡台圃場を訪問し、気候変動に対してJIRCASが実施している様々な農業技術について教えていただきました。
①地気熱交換蒸留システム
世界の水利用の内、農業が占める割合は最も大きいとされています(FAO, 2025)。
本視察では、ビニルトンネル内で蒸発した水蒸気を地中のパイプ内で結露させ、回収する驚きの方法を見学しました。施設内では小松菜を栽培しながら水を回収する仕組みが取り入れられており、水資源の有効活用を実現していました。
乾燥地・半乾燥地で水資源の確保が特に厳しい地域からの研修員も参加しており、水資源の効率的な利用を図るこのシステムの導入・運用のコストやビニルハウス内での栽培に適した作物についての質問をするなど、強い関心を示していました。
②閉鎖型チャンバー法
身の回りの水田からはメタンなどの温室効果ガスが発生しています。今回は水田から発生するメタンの量を測定する閉鎖型チャンバー法という手法を見学しました。水田に箱型容器(チャンバー)を設置し、水田から発生するガスを一定時間ため、採取した空気に含まれるメタンの濃度をガスクロマトグラフ法と呼ばれる方法で測定するもので、実際に、目の前でデモンストレーションをしていただきました。
研修員からは、屋外でもすぐ測定できる方法や品種によるメタン発生量の違いについての質問などが出され、実践を見据えて学んでいる様子が印象的でした。
③生物的硝化抑制(BNI)強化コムギ
肥料に含まれる窒素は、そのまま土にとどまるのではなく、土の中の働きによって外に流れ出てしまうことがあります。このような畑からの窒素の流出を減らし、効率よく作物の生育に活かすコンセプトで開発されたのがBNI強化コムギです!今回はBNI強化コムギと他の品種の生育の違いを比較しながら生育の違いを見学しました。また、窒素肥料の過剰な使用による環境への影響までお話していただき、持続可能な農業についての理解を深めました。生育の違いがあり、研究の成果が伝わってきました。お話の後さらに詳しく話を聞く研修員も見られ、この技術への関心の高さがうかがえました!
今回の訪問は各技術の仕組みだけでなく、海外の現状や研究事例も踏まえた内容を見せていただきました。 各国への導入を見据えた質問もあり、技術普及に向けた実践的な学びとなりました!
関連サイト:
地中パイプの配置・構造の変更によりビニルトンネル内の水蒸気を効率的に回収できる | 国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター | JIRCAS
バッファーチャンバー方式ガス収支測定法 | 国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター | JIRCAS
少ない窒素肥料で高い生産性を示す生物的硝化抑制(BNI)強化コムギの開発 | 国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター | JIRCAS