2022年研修参加者が国際シンポジウムに登壇 ~家畜疾病診断技術を活かし、ナミビアの畜産振興に貢献~
2026.07.17
2026年7月7日に開催された宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター国際シンポジウムにおいて、ナミビアのMs. HAMUNYELA Ellini Alukeni Hermina(以下、エリニさん)がオンラインで登壇しました。
エリニさんは、2022年度JICA課題別研修「家畜疾病診断基礎技術向上」に参加し、日本で学んだPCR分析技術などを活用しながら、帰国後は口蹄疫をはじめとする家畜感染症対策に取り組んでいます。
ナミビアは牛肉の輸出国であり、輸出を継続するためには国際獣疫事務局(WOAH)から口蹄疫清浄国・地域(FMD Free)として認定され続けることが重要です。シンポジウムでは、日本で学んだ知識と技術を活かしながら、近隣諸国の流行状況も踏まえて検査体制の強化や検査手法の確立を進め、清浄化ステータスの維持に貢献していることが報告されました。
エリニさんの研修期間中の指導教員である宮崎大学産業動物防疫リサーチセンター 防疫戦略部門長・農学部獣医学科教授の関口敏先生に、研修員受入れの意義について伺いました。
関口先生は、研修の成果として「人と人とのつながり」を挙げています。
「海外の研修員やその所属機関だけでなく、JICAや農研機構など日本国内の関係機関を含めたネットワークの形成が大きな成果です。学生にとっては異文化交流の機会となり、教員には国際共同研究の可能性が広がります。また、大学としても国際貢献の実績につながります。」
研修終了後も電子メール等を通じて継続的に連絡を取り合っており、これまでに複数の研修員が宮崎大学大学院への進学を希望するなど、関係は現在も続いています。
今後について関口先生は、
「国際共同研究への発展、大学院進学、人材交流、さらには特許技術やスタートアップの海外展開にもつなげていきたい」
と期待を寄せています。
家畜感染症は国境を越えて広がる可能性があり、各国の診断能力や防疫体制の向上は世界全体の畜産業の安定につながります。こうした人材育成を通じて築かれる国際的なネットワークは、感染症対策に関する共同研究や情報共有を促進し、日本の研究機関や大学にとっても新たな連携機会の創出につながります。
今回のシンポジウムには、現在来日中の研修員もJICA筑波からオンラインで参加し、先輩研修員の発表に熱心に耳を傾けていました。
JICA筑波では、研修で培われた知識や技術が帰国後の活動へと発展し、さらに国際共同研究や人材交流へとつながっていくことを期待しています。今後も、本研修から生まれる新たな成果や連携の広がりをお伝えしていきます。