日本で学んだSHOKUIKU(食育)をケニアへ
2026.08.17
研修員が日本で学んだ「SHOKUIKU(食育)」が、ケニアのキトゥイ郡で新たな形で展開されています。2025年10月にJICA研修「農業を通じた栄養改善」に参加した帰国研修員が、保健、農業、教育、水衛生など多様な関係者と連携しながら「Kitui-SHOKUIKU」を推進しています。彼らは食育を単なる栄養教育として捉えるのではなく、食に関する行動変容、栄養改善を促す包括的なアプローチとして実践しています。
食育ピクトグラム
研修員は、食育が単なる栄養教育ではなく、生産、学習、調理、食事、共有までを含む一連の食の循環をつなぐ考え方であることを学びました。帰国後は、その経験やアイデアを郡内の関係者へ積極的に共有しました。さらに、キトゥイ郡知事へ活動計画を提案したところ高い評価を受け、2026年9月の農業ショーでのSHOKUIKUブース設置へとつながりました。
学校菜園
Kitui-SHOKUIKUの大きな特徴は、多分野連携にあります。保健、農業、教育、水衛生などの関係機関が協力しながら栄養改善に取り組んでいます。また、Multisectoral Nutrition Network(MSN)といった分野横断的な調整メカニズムを活用し、関係機関が一体となって活動を推進しています。
多様な省庁出身の帰国研修員
2026年農業ショーのSHOKUIKUブースでは、在来野菜やウサギといった食材の展示に加え、調理実演、学校や家庭菜園の取り組みを含めた栄養教育が紹介される予定です。また、この活動は地域に受け継がれてきた在来野菜や伝統的な調理法に関する知識の継承も重視しており、学校や家庭を通じて次世代へ伝えていくことを目指しています。
家庭菜園
ウガリ(トウモロコシの粉で練った主食)とバオバブの葉・ウィンディアの葉(未利用・低利用作物)、ケールの葉(伝統野菜)
キトゥイ郡では、日本の食育の理念を地域の実情に合わせて取り入れながら、地元食材の活用、住民参加、多分野連携を推進しています。2005年に参加した研修のチームリーダーであるキュートゥ・チャールズ・キトンガ氏は、「キトゥイで食育を実践すれば、栄養改善そして健康寿命の延長につながると思います。日本での研修はかけがえのない経験で忘れることはできません。」と力強い言葉を寄せています。
研修期間中にすみだ食育goodネットの方々と撮った写真を示すチャールズ氏
このような帰国研修員とのつながりは日本にとっても貴重な財産です。JICAは、今後も関係組織と協力しながら、帰国研修員がマルチセクターでの食育を推進する後押しをしてまいります。