第8回農業共創セミナーを開催
2026.10.07
2026年9月29日、JICA筑波は「第8回農業共創セミナー」を開催しました。
本セミナーは、JICA筑波「農業共創ハブ」の取り組みの一環として2021年から開催しており、今回が8回目となります。
今回のテーマは「食料安全保障」とし、稲作振興、フードバリューチェーン強化、農業機械化振興 の3分野を中心に出展企業・団体を募りました。出展企業・団体関係者34名、JICA研修員63名、一般参加者53名の計150名が参加し、農業分野における技術・サービスの紹介や意見交換を行いました。
開会にあたり、当センター森口所長は、気候変動や食料不安、エネルギー問題など複雑化する課題に対しては、一国や一組織だけでなく、多様な主体による共創が不可欠であることを強調しました。また、本セミナーは単なるビジネスマッチングではなく、互いの課題やニーズを理解し、新たな協力関係を生み出す場であると参加者に呼びかけました。
続いて、JICA経済開発部 山崎潤課長から、JICAの農業・農村開発分野における課題戦略「JICA Global Agenda(JGA)」やその具体的な事業の事例が紹介されるとともに、JICAが推進する「共創」の考え方について説明がありました。
| 企業・団体名 | 紹介製品・技術 |
| カンリウ工業(株) | 籾の粗選・石抜・脱皮・精米を行うポストハーベスト機械および関連技術 |
| (株)山本製作所 | 穀物乾燥機、種子生産のための乾燥調製施設、精米機 |
| (株)太陽油化・TOKYO8 GLOBAL | 有機肥料 |
| NEC (日本電気株式会社) | スマート農業ソリューション |
| (株)エフ・シー・シー | AI・IoT害虫モニタリングシステム |
| (株)TERRA | ソーラーシェアリング |
| (株)ビジョンテック | 水稲農業情報サービス「AgriLook」 |
| (株)三祐コンサルタンツ | 海外農業・農村開発事業と現地資材活用の紹介 現地資材(低コスト)を活用した開発支援 |
| 日産スチール工業 (株) | 青果物鮮度保持フィルム「Freshmama」 |
| サーキュラーブリッジ研究所 | 食品廃棄物を農業資源へ転換する循環型フードバリューチェーンモデル |
会場では、パネル展示だけでなく、実機や模型を活用した展示やデモンストレーションが行われ、研修員が担当者に熱心に質問する姿が各所で見られました。
カンリウ工業株式会社は籾摺り精米機を持ち込み、NERICAや長粒米を使った実演を実施しました。株式会社三祐コンサルタンツは、住民主体で組み立て可能な小規模灌漑や竹を活用した低コスト温室の模型を紹介しました。
また、株式会社太陽油化・TOKYO8 GLOBAL、サーキュラーブリッジ研究所は、土壌改良や有機資源循環、肥料に関する技術を紹介し、多くの研修員が自国での活用可能性について意見交換を行いました。
ポストハーベスト分野では、日産スチール工業株式会社の鮮度保持フィルム「Fresh Mama」や、株式会社山本製作所の穀物乾燥機が注目を集めました。また、株式会社TERRAによる営農型太陽光発電、株式会社エフ・シー・シー(FCC)のAIを活用した果実ハエ判別装置、NECの営農支援システム「CropScope」や株式会社ビジョンテックの「AgriLook」など、デジタル技術や再生可能エネルギーを活用した先進的な取り組みにも多くの参加者が足を止めていました。
実際に精米機を稼働
(カンリウ工業)
竹を用いた温室の説明
(三祐コンサルタンツ)
小規模灌漑設備の資材
(三祐コンサルタンツ)
フィルムを示しながら紹介
(日産スチール工業)
研修員とじっくり意見交換
(サーキュラーブリッジ研究所)
説明を熱心に聞く研修員
(太陽油化・TOKYO8 GLOBAL )
穀物乾燥機等の模型
(山本製作所)
農業と再エネの両立(TERRA)
ミバエカウント装置
(エフ・シー・シー)
画像を示しながら説明
(ビジョンテック)
画面を示しながらの説明(NEC)
スマートフォンでの操作性を体験(NEC)
研修員からは、
「自国にも竹資源が豊富にあり応用できる可能性を感じた」
「土壌や肥料に関する課題解決のヒントを得られた」
「実際の導入事例や機器の操作方法まで知ることができ参考になった」
といった声が聞かれました。
企業からは、
「各国政府や研究機関の関係者と一度に意見交換できる貴重な機会だった」
「通常の展示会では出会うことが難しい参加者と直接対話できた」
「来年はさらに多くの社員を参加させ、海外展開やネットワーク構築につなげたい」
といった前向きな意見が寄せられました。
JICA筑波は、今後も企業、研究機関、行政機関、研修員など、多様な立場の参加者がつながり、それぞれの知見や経験を持ち寄る「共創」の場を提供していきます。本セミナーで生まれた対話やつながりが、食料安全保障という共通の課題の解決に向けた新たな協力や事業の創出につながることが期待されます。