- トップページ
- 日本国内での取り組み
- JICA筑波
- 「人」明日へのストーリー
- 帰国ボランティア・小田島満哉さん〜3度のシニア海外ボランティアの経験から〜
岩手県北上市出身 茨城県取手市在住
小田島満哉さん
■平成22年度4次隊 シニア海外ボランティア
派遣国:ネパール 職種:農林水産
派遣期間:2011年3月〜2013年3月
■平成25年度3次隊 シニア海外ボランティア
派遣国:フィジー 職種:家畜飼育
派遣期間:2014年1月〜2016年1月
■平成27年度 シニア短期ボランティア(10か月)
派遣国:フィジー 職種:家畜飼育
派遣期間:2016年7月〜2017年5月
※平成25年度3次隊派遣と同じ配属先へ再赴任
はじめに自己紹介をお願いいたします。
地元の岩手大学農学部を卒業後、つくば市にある全農(全国農業協同組合連合会)の研究所で主に乳牛・肉牛を研究してきました。2011年に全農を退職後、JICAのシニアボランティアとしてネパールの協同組合省とフィジーの国立農業試験場(2回)で活動し、今年5月に帰国しました。現在は取手市国際交流協会の理事として日本語教室で取手市内の外国人に日本語を教えています。
JICAボランティアになられたきっかけや現地での活動について教えてください。
私は全農在職の時にインドネシアやオーストラリアなどで現地指導した経験があり、50代頃から退職後は海外で活動してみたいと思っていました。定年退職(63才)の年にJICAシニアボランティアの募集に「農業協同組合の指導」という要請があり、応募し合格しました。
ネパールでは協同組合省に配属され農業協同組合の事業改善を指導してきました。ネパールには6千の農協がありましたが日本のような購買・販売・共済・金融事業に分業化された運営がされていませんでした。特に農家が農協に求めている購買・販売事業がまったくなく、主に金融事業をやっていました。最初の1年は各地の農協を実態調査して購買・販売の課題を把握し、2年目は具体的な活動としてネパール全域を5つの重点地域農協に分けて「モデル農協3か年計画」を策定し、展示事業を実施して普及をはかりました。指導のやり方は基本展示普及事業計画を私が作り、現地指導をネパール人に任せました。このことによってネパール人による実験事業展開が進み、継続的な普及が定着しました。
フィジーでは国立農業試験場に赴任し研究所体制の整備と家畜用飼料の開発を指導しました。指導方法として座学とバーンミーティング(野外実習)を主に実施して、研究員の資質を高め、また試験手法等を教えることによって家畜飼養試験の研究精度が格段に向上しました。
ネパールとフィジーで感じたことは、現場において自分の持っている技術が使えるのは半分もなく、逆に現地で行われている長年培われた技術に教わったことがたくさんありました。特にフィジーの「Grazing Dairy」は日本においても参考にできる技術でした。
ネパール・上司の家で
ネパール・同僚と
フィジー・スタッフたちと
市民の皆さんへのメッセージをお願いいたします。
私はネパールとフィジーでJICAのシニアボランティアとしての活動を通してさまざまな経験をしてきました。これから新しい人生を体験したい人は、ぜひJICAの青年海外協力隊・シニアボランティアを目指してほしいと思います。そこではこれまで体験したことの無いいろいろな得難い経験をすることが出来るでしょう!
私自身は次のような経験ができました。
・日本では経験の出来ない「新しい生活」ができる
・海外の文化、風俗に触れ、いろいろな価値観を得ることができる
・今まで経験をしたことのない未知の世界に飛び込める
・異なる宗教の世界を体験でき人生観がかわる
・日本での人的しがらみを断ち切って純粋な気持ちで海外生活ができる
・8,000m級の山を見ながらウォーキング(ネパール)や雄大な南太平洋でのダイビング(フィジー)などができる
・異国のいろいろな料理を堪能できる
フィジー・講義風景
フィジー・試験場
未知の海外で活動すると新たな人生の考え方が生まれてきます!
注:「Grazing Dairy」とは草地に乳牛を放牧する酪農方式。
scroll