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カカオがつなぐ日本とコートジボワール――“おいしい未来”をつくるJICAの挑戦

#1 貧困をなくそう
SDGs
#9 産業と技術革新の基盤を作ろう
SDGs

2026.04.14

サムネイル
コートジボワール事務所 所長 若林 基治

「日本のチョコを守る」ために必要なもの

突然ですが、みなさんが日常的に食べているチョコレート。その原料となるカカオの世界最大の生産地がどこか知っていますか?
答えは―― 西アフリカのコートジボワールです。

実は、ガーナ産が有名な日本でも、世界的にはコートジボワールが圧倒的な存在感を、もっています。しかし、日本へはまだほとんど輸入されていません。理由は、品質管理や残留農薬、トレーサビリティ(生産地を追跡できる仕組み)など、日本特有の厳しい基準を満たすには課題が残っているためです。

そして今、ガーナでは気候変動や金鉱山の違法採掘の影響などでカカオ生産が減少し、日本のメーカーは“次の主要産地”を本気で探し始めています。
つまり日本のチョコレート文化を未来につなぐカギを握るのが、ここコートジボワールのカカオなのです。

現場に行ってわかった、ポテンシャルの大きさ

2026年、JICAは「日本への輸出を本格的に増やすには何が必要か?」を徹底的に調べるため、農家・農協・政府機関・検査機関など、カカオのバリューチェーンを一つひとつ訪ねました。

そこで見えてきたのは、課題以上に大きな“可能性”でした。

  • カカオの発酵や乾燥の技術を少し改善すれば、チョコレートはもっとおいしくなる
  • 生産地が広くて栽培環境も多様なコートジボワールのカカオを使うことで、日本の消費者は新しい風味のチョコレートを味わうことができる
  • 残留農薬管理や検査体制の強化には、日本のノウハウが役に立つ
  • トレーサビリティを整えれば、日本の若い世代が関心をもつ「エシカル消費」にも応えられる

といった、未来につながる可能性が見えてきました。

コートジボワールの特徴は、多様な自然環境があり、風味のバリエーションが広いことです

特に、児童労働や環境負荷といった課題を技術で“見える化”する取り組みは、日本でも注目が高まっています。JICAはコートジボワールで、ブロックチェーンを使った児童労働のモニタリングを早くから試行し、改善の仕組みづくりに挑戦しています。

  • *ブロックチェーンとは、誰が見ても信頼できる形で情報を記録・共有し、 透明性を高めるためのデジタルな仕組み

日本とコートジボワールの“Win-Winな未来”

もしコートジボワールのカカオが安定して日本に届くようになれば――

  • 日本の皆さんはもっとリーズナブルでおいしいチョコレートを楽しめる
  • コートジボワールの農家は収入が増え、生活が安定し、子どもたちが学校へ通えるようになる
  • 企業も、環境や人権に配慮した“サステナブルなカカオ調達”を進められる

まさに、カカオが「食」「教育」「環境」「未来」をつなぐ架け橋になるのです。

JICAの次の一歩

今回の調査は、その未来を実現するための“出発点”です。
これから私たちは、

  • 日本の消費者のための発酵・乾燥など風味改善の技術支援
  • 安全・安心なカカオ栽培と残留農薬検査の改善
  • 農家への新しい栽培技術の普及
  • 農家の生計多様化と持続可能な農業の実現
  • 農協の組織強化と日本企業との連携促進
  • トレーサビリティや児童労働対策の仕組みづくり

など、現地と日本をつなぐ協力を本格的に進めていきたいと考えています。

【収穫】

管理が不十分なカカオ畑。病害虫が発生しやすく、農薬の不適切な使用が問題となっています

適切に管理されているカカオ畑。病害虫の発生が少なく、カカオの品質も高いです

一部の農協では農民対象に減農薬による安全・安心なカカオ栽培技術研修が行われています

収穫されたカカオ。果肉の中のカカオ豆がチョコレートの原料になります

【発酵】

カカオの発酵プロセス。改善することで風味がよくなる可能性があります

カカオの発酵度合いの検査。発酵・乾燥工程を改善することで、高品質なカカオが増える可能性があります

【乾燥】

改善の余地がある不適切なカカオの乾燥工程

乾燥台を使った適切なカカオの乾燥工程

そしてこの協力は、ただの“援助”ではなく、日本の皆さんの未来の生活を豊かにするための投資でもあります。
みなさんが日常で手にするチョコレートが、これからも安心しておいしく食べられるように。
そして、その一粒が誰かの未来を明るく照らすものであるように。
JICAは、カカオを通じて日本とコートジボワールの “おいしい未来” をつくっていきます。

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