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【ブラジル】日系社会海外協力隊派遣40周年!

2026.10.21

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ブラジル事務所 島田 宏子

1986年に「海外開発青年制度」として始まった現在の日系社会海外協力隊は、今年40周年の節目を迎えます。

多様な文化が共存するブラジル

私が現在勤務するここブラジルには、世界最大規模の約270万人の日系社会があります。

国土が日本の約22.5倍もあるといわれるブラジルは、この広大な国土の開発のため、ヨーロッパやアジアから多くの移民を受け入れました。ブラジルはよく「小さな地球」といわれますが、それは、インディオ(先住民)、ポルトガル系、アフリカ系、イタリア系、ドイツ系、シリアやレバノンなどの中東系、日系などさまざまな民族的背景をもつ人々が、それぞれの歴史や文化的背景を活かし、尊重しながら発展しているからでしょう。異なる背景をもつ人々が共に生きる工夫や寛容さのあるブラジル社会に触れることは、多くの気づきを与えてくれます。その中でも教育熱心で、地域貢献の意識が高い日系社会は、ブラジル社会の発展にも貢献してきた移民コミュニティの代表例としてブラジル社会からの評価も高く、日本との架け橋としても重要な存在となっています。

体験型移住機会の提供としての「海外開発青年制度」

1986年に「海外開発青年制度」として始まった現在の日系社会海外協力隊は、今年40周年の節目を迎えます。第二次世界大戦の焦土から日本が復興したあとも、JICAの前身組織の一つでもある海外移住事業団により移住者支援が進められていましたが、日本の高度経済成長とともに移住希望者は減少し、1993年に移民送出事業は終了しました。しかし、移住者の数が減少していく中でも、現地の中南米日系社会からは強い後継移住者の受入要望がありました。そうした期待を受けて、1985年に現在の日系社会海外協力隊の源流となる「海外開発青年制度」が創設されました。その目的は、日本の若者が日系社会で活動し、自らの技術で地域社会の発展に貢献しながら、3年間の活動を経て海外での活躍の可能性を広げることにありました。

1986年2月に派遣開始された現・日系社会海外協力隊は、もともと体験型の移住機会を提供する事業でした。現在は制度こそ異なりますが、現地の人々と同じ目線で生活しながら、日系社会の発展に貢献するという理念は引き継がれています。日本からの移住者とその子孫が発展させてきたブラジルの中の「日本文化」やその価値観に触れながら、日本との違いや日本人としての自分について深く考える機会になります。

移民と日系社会海外協力隊

近年、日本の、特に若者層の内向き志向が指摘されています。その背景には少子化や社会経済環境の変化などさまざまな要因がありますが、21世紀の幕開けとなった2001年には年間3,856名いた協力隊派遣者数も、2025年度末には約65%減の1,343名となっています。

そんな状況の中で果敢に協力隊に応募する近年の参加者は、どういう人々でしょうか。自分の能力を途上国の人のために活かしたい、自分の人生の選択肢を増やしたい、世界に飛び出すことで新しい視点を学びたい、少し変わった経験をしたい、現状を変えたい。動機は多種多様と思いますが、現状に甘んじることなく、変化を求める。そうしたチャレンジ精神がある人々ではないでしょうか。そして、時代背景や目的は異なりますが、未知の世界に飛び込み、自らの可能性に挑戦しようとする気持ちは、100年以上前に海を渡った日本人移住者たちにも共通するものがあるのではないかと思っています。

彼らは新しい土地で生活を築きながら、自らを現地社会に適応させるだけでなく、長い年月をかけ、その地域にもポジティブな変化をもたらしてきました。現在の日系社会を見ていると、その歴史の積み重ねが確かに息づいていることを実感します。
現在の日本には約21万人のブラジル人が暮らしているといわれていますが、彼らの中にはすでに30年以上も日本に滞在している人もおり、日本とブラジルの新たな架け橋となっています。そして、自らもマイノリティとして国外に暮らした経験をもつ帰国隊員たちと共に、その経験が地域や職場、学校などに還元されることで、多様な生き方が認められ、一人ひとりの選択肢が広がる社会につながっていくと私は信じています。

「世界のために」が「自分のために」になり、やがて「日本のため」につながる。そんな循環を生むのがJICA海外協力隊の魅力です。もし少しでも興味があるなら、その一歩を踏み出してみませんか。

左上:日系福祉施設で活動する高齢者介護隊員
左中:地域の盆踊りで太鼓を披露する文化隊員(中央)
左下:サンパウロ日本祭で囲碁を教える文化隊員
右上:日系移住地に多くある鳥居(ラーモス移住地)
右下:ブラジリア日本祭でアニメコスプレを楽しむ参加者

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