チリ共和国における大規模森林火災被害に対する緊急援助-供与物資の引渡し-
2023.02.18
チリ共和国中南部の数州で延焼を続ける大規模森林火災被害に対して、国際協力機構(JICA)が供与した緊急援助物資が、同国に引き渡されました。
チリ共和国に対し供与する緊急援助物資は、2月10日の供与の決定を受け、JICAチリ支所が現地調達の上、首都サンティアゴの災害防止対策庁(SENAPRED)倉庫へ順次納品され、2月17日午前9時30分時(現地時間)よりチリ外務省大臣室にて、チリ共和国側からアントニア・ウレホラ外務大臣、パブロ・ロボス森林公社(CONAF)森林火災防止局長、ダフネ・ヌニェス災害防止対策庁(SENAPRED)渉外調整部長が、日本側から渋谷和久駐チリ大使、小澤正司JICAチリ支所長らが出席し、同物資の引渡式を実施しました。
引渡式では、ウレホラ外務大臣より、トルコ、シリアの大震災の緊急対応の中において、日本のチリに対する迅速な支援に対する深い感謝の意が示される(ボリッチ大統領からは、すでに2月10日の供与決定時に、日本に対する謝意が表されました)と共に、災害防止対策庁(SENAPRED)に納品された物資は2月17日から順次、甚大な被害を受けたチリ中南部のニュブレ州、ビオビオ州、及びアラウカニア州の被災地、及び消火活動を実施しているチリ森林公社(CONAF)に配送する旨が述べられました。
森林公社からは、近年の気候変動による干ばつ等の影響もあり、この度の森林火災は過去に類を見ない大規模な被害となり、マウレ州以南からアラウカニア州の広い地域において同時多発的に延焼し続けており、懸命な消火活動が展開されていること、また、日本との関係においては、過去に治山緑化・流域管理プロジェクト(1990年代)が行われた以降も、JICAとは長い協力関係を持っていることが述べられ、感謝の意を表された。
これに対し、澁谷大使より、日本とチリは深い信頼関係を築いており、この大災害において迅速な緊急支援を行うことに大きな意義があり、今回の森林火災被害が一日も早く沈静化することを希望する旨、発言がありました。
災害防止対策庁発表の被災状況(現地2月17日夕刻時点)は、中南部の3州全域と1州4市の233ヶ所で火災が発生しており、火災面積は436,053ha(東京都の面積218,868haの2倍に相当)、死者25人、負傷者3,034人、被災者7,006人、焼失家屋1,885軒です。JICAチリ支所では、今次緊急援助物資供与のフォローはもちろんのこと、森林火災災害のみならず、自然災害全体の防災・減災や気候変動対策のための協力を継続していく予定です。
以 上
緊急援助物資引渡式出席者(中央ウレホラ外相、その左渋谷大使、その左小澤支所長)
緊急援助物資引渡式
納品済物資
納品済物資(スコープ、レーキ、ポンプ、チェーンソー、ブーツ、毛布)
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