北岡理事長がブルッキングス研究所東アジア政策研究センターのミレヤ・ソリス所長と会談(オンライン)

2021.09.10

北岡伸一JICA理事長は、8月31日、ブルッキングス研究所東アジア政策研究センターのミレヤ・ソリス所長と、オンラインで会談しました。ソリス氏は、JICAが2017年に設置したInternational Advisory Board (以下、IAB)(注)の委員に、2021年5月に新たに就任しました。

冒頭、北岡理事長より、アフガニスタンからの米軍撤退が、バイデン政権及び今後の米国の外交・開発政策に与える影響について、ソリス氏の見解を尋ねました。ソリス氏は、アフガニスタンからの米軍撤退はバイデン大統領にとって大きなチャレンジであると指摘しました。そのような中、来年の米国の中間選挙に向けて、バイデン大統領は、ワクチン接種、米国内のインフラ整備、社会保障及び気候変動対策などに注力し、国内の支持を固めていくであろうとの見解を示しました。外交的には中国との競争を背景としてアジアが最優先の地域であること、ワクチン、気候変動対策、テクノロジー等の分野では日米豪印「クアッド」や、立場を同じくする国々との連携を推進するであろうと述べました。

北岡理事長(左)とソリス所長(右)

ソリス氏と参加者との意見交換では、バイデン政権における米国の東南アジアへの関与の見通しは不透明であることが問題提起されたほか、米国が多国間での自由貿易体制の維持に積極的な役割を果たすことは内政との関係から難しいと考えられるため、国際秩序作りにおける日本のリーダーシップ発揮が重要であることや、途上国のインフラ整備、サプライチェーン構築において日米が補完的に連携していくことの重要性などについて、幅広い議論が展開されました。また、ソリス氏からは、「外国人受入と共生社会実現」や「JICAチェア」といったJICAの新たな取り組みは、人的資本への投資として価値があるとして、日本のODA予算増額への期待が示されました。

最後に北岡理事長は、今回のような自由闊達な意見交換を継続することを希望しました。ソリス氏もこれに同意するとともに、近い将来IAB全体として議論の機会を持てるようになることに期待を寄せました。

(注)IABは、国際的に著名な内外の有識者の方々から、JICAの事業方針や取り組みに関する助言を得て、事業の戦略性の向上等を図ることを目的に、2017年3月に設置したものです。

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