アフガニスタン向け無償資金協力贈与契約の締結:UNICEFとの連携により基礎教育へのアクセス改善に貢献


2023.07.07
2023.07.07
国際協力機構(JICA)は、7月7日、国際連合児童基金(UNICEF)との間で、アフガニスタンの「基礎教育へのアクセス改善計画(UNICEF連携)」を対象として、13.28億円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。
アフガニスタンの国民は現在、貧困や食料・医薬品不足等のかつてない経済的・人道的危機に直面しており、国際社会からの支援が不可欠です。
中でも教育分野については課題が多く、初等・中等教育における不就学者は420万人を超えており、就学率は都市部で65%、地方で48%と低水準に留まっています。特に女子は、中等教育への復帰を認めないとする現地発表(2022年3月)等の影響を受けてより深刻な状況が続いています。基礎教育は国の基礎をつくる重要な教育課程であるにもかかわらず、教育へのアクセスが十分ではないため、アフガニスタンの成長や安定化の足かせとなることが懸念されます。
署名の様子
基礎教育課程における不就学の主な要因としては公立学校の受入れ能力不足が挙げられ、学校施設の新規整備や既存施設の改修が喫緊の課題となっています。アフガニスタンでは小規模なコミュニティ教室が公的な教育サービスを補完しており、不就学者の一時的な受け皿となっていますが、多くのコミュニティ教室が運営上の課題を抱えており、クナール県は県内の全教室にあたる500教室、パクティカ県は県内全教室数の約30%にあたる150教室が2023年または2024年に資金不足により継続困難に陥ると懸念されています。
本事業は、アフガニスタンの中でも基礎教育へのアクセスが低水準かつ男女差の大きい地域(クナール県及びパクティカ県を予定)において、コミュニティ教室への学習用資材の供与、運営支援等を行うとともに、周辺公立学校の施設改修、教員等向けの研修を行うことにより、基礎教育の受入れ能力の強化を図り、子供たちの基礎教育へのアクセス改善を図るものです。また、本事業はSDGsゴール4(質の高い教育をみんなに)及びゴール5(ジェンダーの平等を実現しよう)に貢献します。
案件の詳細は以下のとおりです。
国名 | アフガニスタン・イスラム共和国 |
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案件名 | 基礎教育へのアクセス改善計画(UNICEF連携)(The Project for the Improvement of Access to Basic Education) |
実施予定期間 | 26ヵ月 |
実施機関 | 国際連合児童基金(UNICEF) |
対象地域・施設 | アフガニスタン(クナール県及びパクティカ県を予定) |
具体的事業内容 (予定) |
1.施設整備/機材調達 コミュニティ教室に対する学習用資材の供与、公立学校の施設改修 2.ソフトコンポーネント コミュニティ教室の運営支援、公立学校の教員等向け研修 |
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