エジプト向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:水資源の有効活用を通じた養殖産業のバリューチェーンの構築に貢献
#2 飢餓をゼロに

#12 つくる責任、つかう責任

2023.09.01
国際協力機構(JICA)は、8月31日、カイロにて、エジプト・アラブ共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「経済開発のための養殖及び水産流通改善プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。
エジプトでは、水資源の85%以上をナイル川に依存していますが、今後も人口増加が見込まれ、水資源利用の効率化が喫緊の課題となっています。しかし、灌漑用水の利用は農業用途が優先され、内陸部の養殖池では原則的に農業廃水しか利用できないため、残留農薬等有害成分の養殖魚の品質への影響が指摘されています。アフリカで最も養殖産業が盛んなエジプトにおいて、内陸部の養殖産業の振興のために水資源の先行利用の普及とともに節水型の養殖を行うこと、排水が二次利用先の農業生産に悪影響を及ぼさないことを担保することが重要になります。
本案件は、エジプトの3県において、持続可能で強靭な養殖を促進する計画・実施能力および養殖普及サービスを強化し、効率的な水利用システムを確立するとともに、エジプトにおける適正養殖基準の国家認証制度の設立を進め、バリューチェーン関係者の能力強化を図るものです。本案件を通じ、対象地域において養殖セクターの経済・社会的貢献が増大することが期待され、SDGsゴール2「食料安全保障」およびゴール12「持続可能な生産と消費」に貢献します。
署名式の様子
案件の詳細は以下のとおりです。
国名 | エジプト・アラブ共和国 |
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案件名 | 経済開発のための養殖及び水産流通改善プロジェクト |
実施予定期間 | 48ヵ月 |
実施機関 | 湖沼・水産資源保護開発機構 |
対象地域 | カフルエルシェイク県、ベヘイラ県およびミニア県 |
具体的事業内容 | 効率的な養殖用水の利用に向けた既存のシステムの改善、エジプトにおける適正養殖基準の普及、ICTを利用したバリューチェーン関係者のネットワーク化等 |
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