田中理事長がタジキスタンとキルギスを訪問
2023.09.07
田中明彦JICA理事長は、8月31日から9月6日にかけて、タジキスタン共和国とキルギス共和国を訪れました。タジキスタンではラフモン大統領、ムフリッディン外務大臣など主要な閣僚との会談、タジク国立大学でのJICA日本研究講座設立支援事業(JICAチェア)特別講義を行い、留学生受入事業に関する契約署名式に立会いました。キルギスではサディル・ジャパロフ大統領、アキルベック・ジャパロフ内閣議長兼大統領府長官(首相)をはじめとする政府要人との会談や留学生受入事業の卒業生との面談を行いました。またそれぞれの国においてJICAの事業を視察しました。
田中理事長は首都ドゥシャンベで、ラフモン大統領及びムフリッディン外務大臣と会談し、人材育成やインフラ整備、水資源に恵まれた両国間の水分野における協力に触れつつ、「人への投資」や「成長の質」に関する協力の重要性を確認しました。また今後地方での雇用を創出する産業振興を支援する意向を示しました。
また田中理事長は「複合危機における国際関係」をテーマにタジク国立大学でJICAチェア記念講義を行い、タジク国立大学の教授陣や学生、タジキスタンの外交官など約300名が聴講しました。同日、タジク国立大学から田中理事長に対し、名誉博士の称号が授与されました。
さらに若手行政官を対象とした留学生受入事業「人材育成奨学計画(以下、JDS)」に関する契約署名式に立会い、またJDS卒業生との意見交換を行いました。JDSによりタジキスタンからは100名を超える行政官が日本に留学しており、初の女性大臣を輩出するなど、卒業生の多くが要職に就いています。その他、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)との連携事業であるアフガニスタン難民支援事業のサイトをはじめ、タジキスタンで実施されているJICAの事業を視察しました。
タジキスタンのラフモン大統領との会談
タジク国立大学名誉博士称号授与式
続いて、キルギスを訪問した田中理事長はサディル・ジャパロフ大統領との会談で、キルギスと日本が昨年国交30周年を迎え更に強い絆で結ばれていることを互いに確認しました。輸出の促進や二国間の産・学・官の交流促進といった協力を通じて二国間の関係強化に貢献したいとの田中理事長の発言に、ジャパロフ大統領はキルギスは日本を長期的戦略パートナーとしてみていると応じました。
アキルベック・ジャパロフ首相との会談ではJICAが2006年から実施している一村一品(One Village One Product。以下、OVOP)事業について意見交換を行いました。ジャパロフ首相からOVOP事業は同国の政策における最大目的の一つである輸出力強化に貢献するものであるとの発言がありました。田中理事長は首相の同事業に対する尽力に謝辞を述べ、今後もOVOP事業をはじめ、多様な協力を通して二国間の関係を益々強化していきたい旨を述べました。
また、田中理事長は、キルギスの国家プロジェクトに指定され、今後他の中央アジア諸国への水平展開が予定されているOVOP事業のプロジェクトサイトを訪問しました。その他、田中理事長は中央アジア・コーカサス諸国のJICA帰国研修員同窓会の合同総会や留学生受入事業の卒業生との懇談会に出席し、意見を交換しました。
キルギスのジャパロフ大統領との会談
OVOPプロジェクトの生産現場
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