アフリカ南東部ナカラ経済回廊の基幹港・ナカラ港完成式典開催:モザンビークと周辺国の連結性強化、物流改善および経済効果に期待
2023.10.23
(10月24日修正)
10月23日に公開した本リリースの氏名に誤りがありました。以下訂正しお詫びいたします。
(誤)木村一駐モザンビーク大使
(正)木村元駐モザンビーク大使
10月7日、モザンビーク共和国(以下「モザンビーク」)ナンプラ州ナカラ市において、円借款「ナカラ港開発事業(Ⅰ)(Ⅱ)」によって整備されたナカラ港の完工式が開催されました。
モザンビーク側からはニュシ大統領、マガラ運輸通信大臣、日本側からは穂坂泰外務大臣政務官、木村元駐モザンビーク大使、梁瀬直樹JICAアフリカ部長、大塚和哉JICAモザンビーク事務所長らが出席しました。さらに、ザンビア共和国(以下「ザンビア」)のヒチレマ大統領、マラウイ共和国(以下「マラウイ」)のチャクウェラ大統領も出席し、同港に対する期待の高さが表れた式典となりました。
ナカラ港は、マラウイ、ザンビアの内陸国に続くナカラ回廊の玄関口であり、アフリカ南東部随一の天然の良港です。また地政学的にも域内貿易の基幹港としてその重要性が認識されており、近年、日本も投資促進等の観点から官民をあげて協力をしてきました。
同港は1970年代に施設が整備されて以来、十分な改修が行われておらず、さらに一部の施設はハリケーンの影響を受け、老朽化・損傷が進んでいる状況でした。そのため、JICAは2012年に無償資金協力「ナカラ港緊急改修計画」を実施し、2013年にさらなる貨物の増加、物流の改善に対応できるよう「ナカラ港開発事業」フェーズ1、2015年にフェーズ2の円借款契約を締結、建設を進めてきたものです。
完工式の様子
ナカラ港全景(写真提供:五洋建設株式会社・東亜建設工業株式会社 共同企業体)
本事業によりナカラ港の利便性が高まることで、地域の物流を改善し、ナカラ回廊の活性化、ひいては周辺国を含めた地域の経済の発展が期待されています。
式典において、穂坂政務官は、ナカラ港がFOIP(自由で開かれたインド太平洋)の実現を推進する重要な要衝であると述べました。また、同式典においては、モザンビーク、ザンビア、マラウイによるナカラ回廊開発に向けた連携協定の署名も行われました。ニュシ大統領は世界基準の港が完工したことを祝福し、各大統領から、ナカラ港が各国の発展や地域の連結性強化に重要であること、また今後の発展のために各国が協力していく旨が述べられました。
JICAはナカラ回廊地域において、ナカラ港整備に加え、道路や給水事業等のインフラ整備への協力も行っており、今後も同地域の活性化を支援していきます。
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