イラク向け円借款貸付契約の調印:バスラ製油所の改良により環境規制に合致した高品質な石油製品の増産に貢献
そしてクリーンに


2024.11.18
国際協力機構(JICA)は、11月17日、イラク共和国の首都バグダッド市にて、同国政府との間で、「バスラ製油所改良事業(第六期)」を対象として、円借款貸付契約(Loan Agreement: L/A)に調印しました。
署名式の様子
事業概要は以下の通りです。
案件概要
・案件名
バスラ製油所改良事業(第六期)
Basrah Refinery Upgrading Project (VI)
・国名 (対象地域)
イラク共和国
(バスラ県バスラ市)
・事業目的
イラク南部バスラ県の既存バスラ製油所において、高品質石油製品の生産を可能にする、流動性接触分解装置(FCC)を含むFCCコンプレックスを新設することにより、同製油所の生産性向上をとおして、石油製品の品質向上と需給ギャップの縮小、環境負荷の低減および関連技術の移転を図り、もってイラクの経済・社会復興に寄与するもの。
・事業内容
ア)FCCコンプレックスの新設
イ)コンサルティング・サービス(施工監理等)
・借款金額(上限)
60,040百万円
・金利
本体:0.2% コンサルティング・サービス0.01%
・償還期間
40年(うち据置10年)
・調達条件
日本タイド
・実施機関
石油省(Ministry of Oil)
・SDGs達成への貢献
ゴール7(エネルギーをみんなに、そしてクリーンに)
ゴール9(産業と技術革新の基礎をつくろう)
・今後の事業実施スケジュール(予定)
1. 事業の完成予定時期:2025年12月(商業運転開始時を以て事業完成)
2. コンサルティング・サービス(詳細設計等)に係る招請状送付予定時期:契約済
3. 本体工事にかかる国際競争入札による最初のパッケージ入札公示:調達済
調達パッケージ名:EPC契約パッケージ(EPC Contract Package)
<STEP>
なお、本円借款には本邦技術活用条件(STEP)(注)が適用され、本事業で整備されるFCCコンプレックスには日本の優れたエンジニアリング・サービスのノウハウが活用される予定です。
(注)Special Terms for Economic Partnershipの略。わが国の優れた技術やノウハウを活用した途上国への技術移転を通じて、わが国の「顔の見える援助」を促進するために創設された円借款の供与条件。主契約は日本タイド、下請けは一般アンタイド。なお、主契約者は、本邦企業、海外に存する本邦企業の子会社、本邦企業と借入国との共同企業体(JV。本邦企業がリードパートナー)のいずれかであることが必要。また、一定の条件下において、本邦企業と本邦企業の持分法適用会社とのJV(本邦企業がリードパートナー)も主契約者となることが可能。
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