スリランカ向け地球規模課題対応科学技術協力(SATREPS)討議議事録の署名:ビッグデータの活用で水質汚染状況を推定し、水環境の改善に貢献
2026.03.19
国際協力機構(JICA)は、2月26日、スリランカ民主社会主義共和国のコロンボにて、同国政府との間で、地球規模課題対応科学技術協力(SATREPS)「水環境モニタリングとデータに基づく政策実施のためのビッグデータプラットフォーム」に関する実施枠組みに合意し、討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。当日の署名は、スリランカ環境省ウドゥワララ事務次官、同中央環境庁カピラ・ラジャパクシャ事務局長およびJICAスリランカ事務所の黒沼健二所長の3者の間で取り交わされました。
本事業は、東北大学と中央環境庁およびモラトゥワ大学との共同研究プロジェクトです。スリランカの最大都市コロンボを流れるケラニ川流域では、工場排水や生活排水等による水質汚染が課題となっており、科学的根拠に基づく流域管理が急務となっています。
本事業では、限られた観測点のデータをもとに、流域全体の水量・水質を推定するモデルを開発し、日本全国で蓄積されてきた水文・水質のビッグデータを転移学習(AI技術)によって応用することで、推定モデルの精度向上を図ります。さらに、得られた水質汚染のデータを効果的に発信・改善することで、水環境管理の強化に貢献します。
こうした取り組みは、日本政府が推進するSociety 5.0「デジタル技術を活用して社会課題を解決する仕組み」の実現に資するものです。
ケラニ川流域
事業概要は以下の通りです。
・国名(対象地域)
スリランカ民主社会主義共和国
(ケラニ川流域:コロンボ県、ガンパハ県、ヌワラエリヤ県、ラトプナ県、ケゴール県)
・事業目的
本事業は、同国ケラニ川流域を対象に、地表水及び地下水の時空間モデル構築と逆推定手法開発を行い、水環境リアルタイムデータを観測、予測、評価し、また、そのデータを発信する基盤システムの構築によって、水質モニタリング及び情報共有の強化を図ることで、時空間モデルを活用した水質モニタリングのデータに基づく政策への提言と水環境管理の強化に寄与するもの。
・実施予定期間
60か月
・実施機関
相手国実施機関:中央環境庁、モラトゥワ大学
日本側実施機関:東北大学
・SDGsへの貢献
ゴール6(安全な水とトイレを世界中に)
ゴール11(住み続けられるまちづくりを)
ゴール13(気候変動に具体的な対策を)