日本発の技術をエボラ対策の最前線へ:コンゴ民主共和国にエボラウイルス抗原迅速診断キット3万個を供与
2026.10.07
国際協力機構(JICA)は、コンゴ民主共和国で発生しているエボラ出血熱に対応するため、日本で開発されたエボラウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビ™-Ebola」3万個の供与を決定しました。2026年9月22日には、まず緊急対応分として550個を同国の国立生物医学研究所(INRB)に供与しています。
供与式の様子。ムエンべINRB所長(左から3番目、第3回野口英世アフリカ賞受賞者)、興津JICAコンゴ民主共和国事務所長(右から3番目)とINRB及びJICA関係者
今回の診断キットの供与は、JICAがコンゴ民主共和国及びザンビアで実施している技術協力プロジェクト「ウイルス性出血熱の早期探知・警戒・対応に向けたワンヘルスサーベイランス強化プロジェクト」の一環として実施されました。本プロジェクトは、ウイルス性出血熱の早期探知能力を高めるとともに、人、動物、環境の健康を一体的に捉える「ワンヘルス」の考え方に基づき、関係機関の連携やサーベイランス体制の強化に取り組んでいます。
JICA供与のエボラ迅速診断キット「クイックナビ™-Ebola(Quicknavi™-Ebola 」とINRB関係者
「クイックナビ™-Ebola」は北海道大学とデンカ株式会社が共同開発した日本発の迅速診断キットであり、従来のザイール・エボラウイルスに加え、今回感染が発生しているブンディブギョ・エボラウイルスの抗原も検出することができます。また、特別な分析装置を必要とせず、約10分で結果を判定できるため、電力や検査設備が限られる遠隔地でも活用可能であり、感染が疑われる患者の速やかな選別(トリアージ)を可能とし、感染拡大の防止や医療従事者の安全確保にも貢献することが期待されます。本キットは、コンゴ民主共和国での使用承認を経て、初めて大規模に導入されるものであり、日本の開発した技術が感染拡大の最前線で活用される事例となります。
北海道大学とデンカ株式会社が共同開発したクイックナビ™-Ebola (QuickNavi™-Ebola)
JICAは、今回の供与を通じて、感染症の早期探知と感染拡大防止に貢献するとともに、現地機関の検査体制のより一層の強化を目指します。
エボラ出血熱をはじめとする感染症は、人の移動や物流によって国境を越えて広がり、世界経済や社会の安定にも大きな影響を及ぼすことから、世界が協力をして感染防止に努めることが重要です。日本の有する技術や知見を活用することで、感染症の早期探知と感染拡大の防止に取り組むとともに、将来の危機にも対応できる強靭な保健システムの構築に貢献していきます。