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- 国際緊急援助隊30周年 一刻も早く、一人でも多く mundi 2016年12月号
- 国際緊急援助隊 派遣の裏側に密着!
昨年4月25日、マグニチュード7.8の巨大地震がネパールを襲ったのは記憶に新しい。
その発生から3日後には、日本の救助チームが現地に到着し、活動を開始した。
迅速な対応の裏側では、どのような準備や調整がなされていたのだろうか。召集から派遣までを追った。
ネパール地震 JICA国際緊急援助隊事務局の動き
(全て日本時間)
2015年4月25日(土)
15:11 | ネパールの首都カトマンズ北西約80キロで地震発生 |
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20:34 |
メールでの一斉連絡を受けて事務局のスタッフがJICA本部に集合
旅行会社を通じて直近のフライトの空席状況を調査→ゴールデンウィーク前でどの便も満席だと判明 |
21:58 | ネパール政府から救助チームの派遣要請を受ける |
22:15 |
第1回局内ブリーフィング
ブリーフィングは合計7回行い、その時々での状況を全員で確認した |
23:50 |
外務大臣から救助チームの派遣命令が下る
旅行会社にチャーター機の手配を依頼→フライトが決定 |
ネパールの首都カトマンズ北西約80キロで地震発生
第1回局内ブリーフィング
4月26日(日)
3:52 | 救助チームのうち、救出時の医療対応とチームの健康管理を担当する「医療班」、建物の安全性を判断する「構造評価専門家」の隊員の募集を開始。登録者にメールやFAXで呼び掛ける |
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8:00 | 隊員募集を締め切る。応募者の中から医療班5人、構造評価専門家2人の隊員が決定 |
9:30 | 事務局の第一陣が成田空港に向けて出発 |
10:40 | 事務局の第一陣が空港に到着 救助チーム隊員の受付開始 |
13:05 | 成田空港で結団式を開催 |
17:52 | (地震発生から約27時間) 70人の隊員を乗せ、チャーター機が成田空港を離陸 |
24:42 | 乗り継ぎ地のタイのバンコクに到着。ホテルで一泊 |
事務局の第一陣が空港に到着
成田空港で結団式を開催
4月27日(月)
12:50 |
バンコクからカトマンズに向けて出発
出発前にバンコクの空港で救助犬のケアを実施 |
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17:35 | 救助チームから、カトマンズの空港が混雑しているため、いったんインドのコルカタに向かうとの連絡が入る |
23:53 | 救助チームから、コルカタのホテルが取れないため、タイのバンコクに戻りもう一泊するとの連絡が入る |
バンコクからカトマンズに向けて出発
4月28日(火)
12:00 |
バンコクからカトマンズに向けて再び出発
離陸前の空港では現地メディアが殺到した |
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15:00 | (地震発生から約72時間) 救助チームがカトマンズに到着 |
バンコクからカトマンズに向けて再び出発
国際緊急援助隊30年の歩み
1979年 | 日本政府がカンボジア難民支援のために、医療関係者らによる「Japan Medical Team」を初めて海外に派遣。 |
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1982年 | 平常時から医療関係者を登録し、海外の災害に迅速に派遣するシステム「国際救急医療チーム(JMTDR)」が設立される。 |
1984年 | エチオピア干ばつにJMTDRが初めて派遣される。 |
1985年 | メキシコ地震、コロンビア火山噴火にJMTDRを派遣。医療関係者だけでなく、捜索救助隊や災害対策専門家の必要性に対する認識が高まる。 |
1987年 | 「国際緊急援助隊の派遣に関する法律」が施行される。被災地のニーズに応じて、救助チーム、医療チーム、専門家チームを組み合わせた「国際緊急援助隊(JDR)」を派遣する総合的な緊急援助体制が確立。 |
1992年 | 法律改正により、紛争に関係する人道支援は内閣府PKO事務局が、自然・人為的災害はJDRが担当することに(大規模災害の際には、必要に応じて自衛隊部隊をJDRチームとして派遣する)。 国際緊急援助隊(JDR)事務局をJICAに設置。 |
1995年 | 阪神・淡路大震災で、医療チーム登録者の派遣をJDR事務局がサポート。 |
2004年 | スマトラ島沖地震・インド洋津波を受けて、スリランカ、モルディブ、インドネシア、タイの4カ国にJDRの合計14チームを派遣。一つの災害に対する派遣規模としては、過去最大。 |
2005年 | パキスタン地震で、救助チーム、医療チーム、自衛隊部隊が、同一地域で相互に協力し救援活動を展開。NPOとも連携し、オールジャパン体制で活動を実施。 |
2008年 | 中国西部大地震で、初めてチャーター機を活用。 |
2010年 | 捜索救助の国際的ネットワークである「国際捜索・救助諮問グループ(INSARAG)」から、救助チームが最高難度である「ヘビー」チームの認定を受ける。 |
2011年 | 東日本大震災を受けて、24の国と地域から救助チームや専門家が救援に駆け付ける。JICAは、その受け入れや調整を行う「国連災害評価調整チーム」の業務に協力。 |
2015年 | 西アフリカで感染が拡大したエボラ出血熱への対応を踏まえ、感染症対策チームを立ち上げる。 |
2016年 | 医療チームが、外来診療に加え、外科的手術や入院・透析機能などの能力を有するチームとして、世界保健機関(WHO)から「緊急医療チーム(EMT)」の認証を受ける。 |
最近の緊急援助物資供与の実績
2015年 | 4月 | ミクロネシア | 台風 |
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4月 | ネパール | 地震 | |
6月 | ガーナ | 洪水 | |
8月 | ミャンマー | 洪水 | |
9月 | ドミニカ | 洪水 | |
9月 | ミャンマー | 洪水 | |
10月 | インドネシア | 火災・煙害 | |
2016年 | 2月 | 台湾 | 地震 |
2月 | フィジー | サイクロン | |
3月 | マーシャル | 干ばつ | |
4月 | パラオ | 干ばつ | |
4月 | エクアドル | 地震 | |
5月 | スリランカ | 豪雨 | |
8月 | マケドニア旧ユーゴスラビア共和国 | 洪水 | |
8月 | ミャンマー | 洪水 | |
9月 | タンザニア | 地震 | |
10月 | ハイチ | ハリケーン | |
10月 | キューバ | ハリケーン |
※2015年度以降
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