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- 活躍する地域の力 地方発、世界へ mundi 2018年9月号
- 食 北海道
世界的に見ても、日本の農産物の信頼度は高い。
優れた生産技術や生産から販売までを一貫して行う6次産業化など、日本の地方が持っている農業の素晴らしい技術を世界へ。
そうした流れが、今始まっている。
Project 4 十勝のノウハウで食産業を強化
北海道 帯広商工会議所 × JICA北海道(帯広) = タイ、マレーシア 「フードバレーとかち」を通じた地域ブランドとハラル対応による産業活性化および中小企業振興プロジェクト
体験インバウンドで十勝のりんご農家を訪れたマレーシアの人たち
「フードバレーとかち」を掲げ、地域を挙げて「食」による地域活性化に熱心な北海道・十勝地域が、タイ、マレーシアとの関係を急速に強めている。
始まりは2014年-帯広市が帯広商工会議所と十勝地域の中小企業とともにJICAの事業に申請した。十勝が築いてきた生産から販売までの食に関する総合的なノウハウを、タイとマレーシアの市場競争力強化や地域ブランドの確立に活かすことが目的だ。そこから、マレーシア企業と十勝の企業が協力してハラル認証(注)を得た「ハラル大福」が誕生。マレーシアのイオンで販売され、好評を博した。タイではチーズ作りへの関心が高く、講習会や研修が行われ、商品化に向けたテスト販売など交流が広がった。
2016年からプロジェクトでは「ムスリム・インバウンド」に力を入れている。イスラム圏からの観光客を十勝に誘致しようというものだ。「よりきめ細かい対応をするためにマレーシアのケダ州出身のシティ・アズミラさんを商工会議所に採用し、イスラム教徒の方々に向けたビジネスをサポートしてもらっています」と帯広商工会議所の武田光史さん。「ムスリムフレンドリーとかち推進キャンペーン」を行い、イスラム教徒が安心して食べられるメニューを紹介したマップの開発、観光スポットへの礼拝所の設置などにはアズミラさんの助言が大きかったそうだ。
マレーシアのメーカーとともに「ハラル大福」を製造する「とかち製菓」の駒野裕之さん(中央)。左は帯広商工会議所の武田さん、右はアズミラさん
十勝の食の屋台もある「屋台プロジェクト in ChiangMai」
またタイ・チェンマイ県とは帯広チェンマイ交流協会が設立され、十勝の食を楽しめる屋台が軒を連ねている「北の屋台」をモデルにした「屋台プロジェクト in ChiangMai」やインターンシップなどの交流も始まっている。
「食分野での技術協力から始まった事業が、地域間交流や食以外の分野への展開を見せています。今は、その土台ができてきたところ。食、観光、さらには多様な分野で十勝とタイ、マレーシア、それぞれの地域が交流することで新たな活性化につながる、そんな関係を継続していきたいです」と武田さんは締めくくった。
(注)商品やサービスがイスラム教の戒律を満たしていることを認定するもの。国や地域による認証機関が複数存在する。「ハラル大福」は、マレーシアのイスラム開発局ジャキム(JAKIM)による認証を得ている。
北海道 帯広商工会議所 武田光史さん
相手国からの信頼感が抜群!
JICAの事業ならやりたいという声を聞きました。
武田光史さん
JICA北海道(帯広) 木村聖さん
途上国の経済成長を十勝にも取り込みます。
木村聖さん
タイ、マレーシアの事例
・協力メニュー:
草の根技術協力事業
・案件名:
「フードバレーとかち」を通じた地域ブランドとハラル対応による産業活性化および中小企業振興プロジェクト
・協力期間:
2016年1月から2019年1月
タイ
マレーシア
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