モザンビーク「JICAチェア」キックオフ・セミナー:モザンビークの発展における教育-日本の経験と教訓

掲載日:2021.06.09

イベント |

概要

会議名:モザンビーク「JICAチェア」キックオフ・セミナー:モザンビークの発展における教育-日本の経験と教訓
開催日:2021年6月9日
主催:国立ジョアキン・シサノ大学、JICA
場所:国立ジョアキン・シサノ大学行政学部校舎(モザンビーク共和国マプト市)

主な参加者

参加者:国立ジョアキン・シサノ大学教員・学生、モザンビーク政府関係者(外務協力省、科学技術高等教育省、教育人材開発省)、JICA事業関係者等、約150名

背景・目的

国立ジョアキン・シサノ大学(UJC)は、既存高等教育機関を再編し、公務員、特に外交官養成を目的に2018年12月に新設された大学である。国を担うリーダー層を輩出する同大学は、JICAチェアの「日本の開発経験を共有し、国の発展と開発リーダーの育成に寄与する」という目的に合致することから、同大学において、日本の教育分野を対象としたセミナーを開催することとなった。

内容

本セミナーでは、マゴデUJC学長の開会挨拶に続き、木村駐モザンビーク日本国大使、モザンビーク政府関係者(外務協力省、科学技術高等教育省)が登壇。遠藤モザンビーク事務所長からは、モザンビークにおけるJICAの協力及びJICAチェアの趣旨、UJCとのこれまでの連携について紹介があった。

萱島理事による特別講義では、日本が発展の過程で外国の政策や技術を積極的に導入してきた経緯から教育を取り上げる意義を説明。「日本の近代化を知る7章」のDVDから第5章の一部を上映後、教育分野における日本の経験を他国に共有してきた事例として、アフリカにおけるJICAの協力を紹介した。

その後、JICAの基礎教育分野のカウンターパートであるモザンビーク教育人材開発省のセリマネ研修局長から、昨年終了したJICAプロジェクト「初等教員養成校における新カリキュラム普及プロジェクト」では教員養成課程の改善に取り組み、教員の意識面での大きな変化等のインパクトがあったこと、今年開始した「新しい学校教育制度に対応したカリキュラム普及プロジェクト」では、教員養成に加えてカリキュラムや教科書の改定に取り組むことで、日本の知見をモザンビークで活かしていきたいとの意向が表明された。

質疑応答では、マサンガエUJC国際関係学部長がモデレーターとなり、女子の教育機会や教育の質の確保、経済発展と教育の役割などについて、会場とオンラインで活発な議論が行われた。最後に、マゴデ学長から、日本の経験がモザンビークや他のアフリカ諸国が直面する課題克服に向けた解となり得ることが強調され、セミナーは閉会された。

なお、参加者アンケートでは日本の経験共有に関する好意的な意見が多く、今後のテーマとして、工業化や企業育成等、日本の産業政策を希望する声があった。また、当日、国営テレビの夜のニュースを始め、現地メディアで、日本の近代化の経験を共有しモザンビークの発展に貢献するJICAチェアの趣旨が広く報道された。現在、同大学に日本研究者は不在だが、大学側からはJICAチェアの趣旨に賛同し、国際関係学部で日本を研究対象として取り上げる等の提案も出されており、引き続き継続的な協力を検討していきたい。

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遠藤所長によるJICAチェアの紹介

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萱島理事による講義(DVD)

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萱島理事による講義

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テレビモザンビークによる報道(マゴデUJC学長)