セミナー開催報告「アフリカ新興テック ナイジェリアピッチ決勝戦」

掲載日:2022.07.04

イベント |

ナイジェリアで事業を展開する1,072社から選ばれた優秀企業6社によるピッチ

人口増加が続き、その成長の可能性から「最後のフロンティア」と呼ばれるアフリカ。貧困や失業などの問題を抱えるアフリカが持続的な成長を実現するためには、人的資本を生かし、労働力を吸収し、非効率な経済から脱却する必要があります。その担い手として、テクノロジーを活用したイノベーションやスタートアップ事業に関わる起業家の存在が注目を浴びています。

2022年7月4日(月)、Project NINJA(= Next Innovation with JAPAN。JICAが実施する開発途上国起業家支援の総称)の一環として、アフリカのテック集積地であるナイジェリアで、社会課題の解決に取り組むスタートアップ起業家6人による「アフリカ新興テック ナイジェリアピッチ決勝戦」を日本経済新聞社とJICAの共催にて開催しました。

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冒頭では、ナイジェリアの政府機関である「ナイジェリア国立人工知能・ロボット工学センター」(以下、「NCAIR」)及び「ナイジェリア国立デジタル・イノベーション機関」(以下、「ONDI」)両長官のライブインタビューに続いて、パネル討論が開催され、「デジタルが変えるアフリカ経済」「ESGからとらえるアフリカ」「TICAD8、アフリカ開発は変わるのか」の3点をテーマに議論しました。その後、JICAがナイジェリアに技術協力専門家として派遣している不破 直伸氏(起業家支援・イノベーション推進アドバイザー)による技術支援に基づいてNCAIR及びONDIがナイジェリアで実施したアクセラレーション・プログラムに応募した1,072 社の中から選抜された優秀企業6社が、社会課題解決型のテックビジネスについてプレゼンテーションを行いました。最後に、視聴参加者による投票が行われ最優秀賞が決定しました。

JICAは、引き続き、開発途上国のスタートアップ育成のためのエコシステム形成を支援していきます。

概要

イベント名:アフリカ新興テック ナイジェリアピッチ決勝戦
主催:独立行政法人国際協力機構(JICA)、株式会社日本経済新聞社
日時:2022年7月4日(月) 16:30~19:00
参加登録:事前登録者 5,045人
開催方式:オンラインでのZoom配信、日英の同時通訳あり

プログラム

16:30 開会挨拶
16:40 ライブインタビュー
16:50 パネルディスカッション
17:40 プレゼンテーション Project NINJA紹介
17:50 ナイジェリアスタートアップ6社によるピッチ
18:45 視聴参加者による投票
18:55 コメンテーターによる総括

登壇者

司会進行

下田 敏 氏 日本経済新聞社 編集局総合解説センター 編集委員

開会挨拶

松永 一義 氏 在ナイジェリア日本国大使

ライブインタビュー

ヤウ イサ ガルバ 氏 ナイジェリア国立人工知能・ロボット工学センター(NCAIR) 長官
ヤクブ ムサ ヤクブ 氏 ナイジェリア国立デジタル・イノベーション機関(ONDI) 長官

パネリスト

渋澤 健 氏 公益社団法人 経済同友会幹事・アフリカPT副委員長
椿 進 氏 AAIC Holdings 代表取締役/代表パートナー
佐野 景子 氏 国際協力機構(JICA) 監事

Project NINJA紹介

不破 直伸 氏 国際協力機構(JICA)スタートアップ・エコシステム専門家

ピッチをしたスタートアップ6社 (登壇順)

エイト・メディカル/イブクン・ツンデオニ 氏

ナイジェリアのヘルステック。救急医療体制が整っておらず、病院搬送が遅れがちな社会課題の解決に向け、緊急医療サービスを展開する。交通渋滞でもデジタル技術とバイクで迅速な医療を提供できる。

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キトブ・テクノロジー/ンワチネメレ・エメケ 氏

ナイジェリアのアグリテック。農作物の生育や肥料の利用、農家経営までをデジタルで管理するプラットフォームを提供。アフリカ農業の生産性向上を図る。食料危機への処方箋にも。

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イーコッバ・グローバル・システムズ/ケシア・ンティランデクラ 氏

ケニア、タンザニア、ナイジェリアなどで事業展開するフィンテック。モバイルを活用して預金を集め、低所得者向けに低コストのローンを供給。政府の管理が届かないインフォーマル・セクターの事業を支援する。

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アラバスター・アグロアライド・インダストリーズ/ジェイコブ・ウボダガ 氏

ナイジェリアでコールドチェーンを展開するスタートアップ。再生可能エネルギーで果物や野菜を冷凍貯蔵し、デジタル技術で顧客とつなぎ、効率的に配送する。農作物の半分がうまく保存できず、消費者に届く前に破棄される課題に応える。

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ウェケベレ・カンパニー/タショビャ・ステファン 氏

ウガンダ、ナイジェリアのヘルステック。妊産婦と新生児の死亡率を減らすため、AI搭載のウエアラブル装置を開発。医療関係者が遠隔で妊婦の合併症リスクや仕事の負担度合いをチェックできる。

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プライスパリー/ルーサー・ラウォイン 氏

ナイジェリアで食品宅配事業を展開する。マーケットへのアクセスが難しい農家や生産者と、高品質な食材がほしい消費者をつなぐ。デジタル技術で効率的なデリバリーを実現する。

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内容

ライブインタビュー

ナイジェリア国立人工知能・ロボット工学センター(NCAIR)及びナイジェリア国立デジタル・イノベーション機関(ONDI)の概要に加え、経済多角化のためにICTやデジタルイノベーションに注力していることや、ナイジェリアでのスタートアップの勃興、デジタル経済への移行のための電力や通信事情の改善に向けた取組等について、インタビュー形式で説明。

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パネル討論

以下の三つの論点で議論した。

  • 「デジタルが変えるアフリカ経済」
  • 「ESGからとらえるアフリカ」
  • 「TICAD8、アフリカ開発は変わるのか」

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視聴者投票結果

視聴参加者へのオンライン投票の結果(複数回答)、第1位は同数で、以下の2社となった。

  • エイト・メディカル
  • イーコッバ・グローバル・システムズ
    (ピッチ参加企業には現地でのアクセラレーション・プログラムが提供される。)