仏語圏諸国対象IFAD-JICA市場志向型農業振興(SHEP)紹介セミナー

掲載日:2022.09.08

イベント |

概要

開催日:2022年9月8日(木)
主催:国際農業開発基金(IFAD)/JICA 共催
場所:オンライン
言語:仏語

【画像】

主な参加者

登壇者

開会挨拶

  • タレク・アフマド氏 IFAD 西・中央アフリカ部 首席ポートフォリオ・アドバイザー

発表者

  • 杉本記久恵氏 JICA SHEP 広域アドバイザー
  • ンデイマ・ドラメ・フォール氏 セネガル共和国農業・農村施設省園芸局園芸セクター部門長
  • IFAD セネガルオフィス バイ・アルハジ・ニィァン氏
  • PAPFAプロジェクト SHEPフォーカルポイント トラオレ・ムマーニ氏

閉会挨拶

  • 興津圭一氏 JICAブルキナファソ事務所 所長

司会者

  • 藤野浩次郎氏 JICA経済開発部 特別嘱託/前コートジボアール事務所所長

参加者

163名

背景・目的

市場志向型農業振興(SHEP)アプローチは、「作ってから売り先を探す」から「売れるものを作る」への意識改革をもたらす農業普及手法です。市場を意識した栽培技術や販売方法の改善によって農家の所得向上を支援するSHEPアプローチは、新たな農業支援の柱として世界から注目を集め、現在約60か国に広まっています。2019年、IFADとJICAが共催した第7回アフリカ開発会議(TICAD7)のサイドイベントでは、アフリカ政府関係者、開発パートナー、民間企業等が、「SHEPを通じた小規模農家100万人のより良い暮らしを目指す共同宣言」を発表し、さらに3年後の2022年8月に開催されたTICAD8では、共同宣言を踏まえた各機関の取り組み状況や成果について共有されました。こうした枠組みの中で、SHEPアプローチは現在、アフリカ9か国において、IFADが支援する15のプロジェクトの中で導入・活用されています。このパートナーシップの動きをさらに促進するため、IFADとJICAは:仏語圏諸国を対象としたSHEPセミナーを開催しました。

内容

セミナーには、IFADやJICA、:仏語圏諸国の各国政府や各国の農業プロジェクトの関係者を中心に約160名が参加し、SHEPアプローチについての理解を深めるとともに、今後SHEPを導入・拡大したいと考えている国々にとって、実際の取組事例からヒントを得る機会になりました。

冒頭では、IFAD西・中央アフリカ部の首席ポートフォリオ・アドバイザーより、SHEPアプローチの推進がJICAとの協力重点分野のひとつになっており、今後アフリカを超えて、更なるパートナーシップを強化する意向が述べられました。

JICAで:仏語圏諸国を担当するSHEP広域アドバイザーからは、SHEPアプローチの説明や、各国における展開状況の概況について説明が行われた後、セネガルとブルキナファソの政府機関、IFADの関係者より、実際にIFADが資金提供する案件でのSHEP導入の取組状況とその成果が共有されました。セネガルでは、政府の国家園芸政策プログラムにSHEPアプローチを取り入れることが明記され、セネガル政府の主導により全国規模で展開していることや、その効果が紹介され、その枠組みの中でIFADの案件にもSHEPアプローチが活用されていることについて発表がありました。ブルキナファソからは、実際にSHEPアプローチが取り入れられているAgricultural Value Chains Promotion Project(PAPFA)の担当より、活動進捗や実績などの具体的な事例が共有されました。

最後にJICAブルキナファソ事務所の所長からは、今後も小規模農家のより良い暮らしの実現という共通の目標に向かって、パートナー機関との協力のもとで、SHEPアプローチ普及のための更なるアクションが現場レベルで生まれることを期待するメッセージが述べられました。

参加者からは「自分の国でもSHEPアプローチを導入したい」という声や、フィールドでの取組に関する実践的な質疑応答が次々と飛び交い、熱気に充ち溢れました。

JICAは今後もカウンターパート政府やIFADをはじめ、さまざまなパートナー機関とともに、SHEPアプローチを通じた市場志向型農業の推進をさらに強化していきます。

資料