ブラジルアマゾン熱帯林保全の衛星データ活用セミナーを開催しました!

掲載日:2024.07.01

イベント |

6月7日のセミナーの様子

概要

イベント名:アマゾン熱帯林保全のためのSARデータ活用セミナー
開催日:2024年6月7日(金)
主催:ブラジル環境・再生可能天然資源院(Ibama),JICA 
場所:ブラジル・ブラジリアIbama講堂

主な参加者

Ibama,ブラジル環境省、ブラジル連邦警察、ブラジル国立宇宙研究所、ブラジル森林サービス、シコ・メンデス生物多様性保全研究所、アマゾン保護システム運営管理システム、在ブラジル日本国大使館、JICAブラジル事務所等

背景・目的

技術協力プロジェクト「先進的レーダ衛星及びAI技術を用いたブラジルアマゾンにおける違法森林伐採管理改善プロジェクト(Project-MORI)」では、ブラジル環境・再生可能天然資源院(Ibama)をカウンターパートとして、ブラジル法定アマゾン(アマゾン熱帯林を有する9つの州)を対象に、レーダ衛星およびAI技術による森林伐採の検知及び予測を通じた違法伐採に係る対策・管理能力の強化を図っています。
広大なアマゾン熱帯林のモニタリングには地球観測衛星を活用したリモートセンシングの技術が欠かせません。しかし、アマゾン地域は、1年のおよそ半分は雨季で雲に覆われ、乾季でさえも雲が多く、光学衛星のみで定期的なモニタリングを行うことは困難です。一方SAR(合成開口レーダ)衛星は、電磁波を地表に向けて発射し、その反射波を受信することで画像やデータを生成します。この電磁波は雲や霧を透過することができるため、昼夜や天候に関わらず地表の観測が可能でありアマゾンの森林モニタリングに大きな可能性を持っています。
本セミナーは、SAR衛星をアマゾン熱帯林保全のために利用している、または利用を検討しているブラジル政府関係機関を対象とし、SARデータの利活用の現状、課題、将来性について情報の共有、意見交換を行うことを目的として開催されました。

内容

本セミナーには、法定アマゾンのモニタリング,取締りに関わる政府関連組織や日本大使館,JICA事務所等を含めて約60名が参加しました。
冒頭、日本国大使館公使、Ibama総裁らによる開会あいさつの後、プロジェクト長期専門家による案件の紹介、JAXAの短期専門家によるこれまでの日本のSARレーダ衛星の森林保全への利活用事例が示され、発表の中では、6月30日に打ち上げが予定されている、ALOS-4も発表の中で紹介されました。午後の部ではプロジェクトのカウンターパートであるIbamaのCenima(環境モニタリング情報センター)による、プロジェクトで活用している、だいち2号(ALOS-2)の観測データを用いた、森林伐採の準リアルタイムモニタリングシステム、「JICA-JAXA熱帯林早期警戒システム(JJ-FAST)」と既存のブラジルの衛星データの相互利活用についての発表の後、「ブラジル連邦警察」、「ブラジル国立宇宙研究所」、「ブラジル森林サービス」、「アマゾン保護システム運営管理システム」の4機関が、それぞれの機関でのSARデータのアマゾンのモニタリングへの活用事例等についてプレゼンテーションを行いました。後半のディスカッションパートでは、違法森林伐採をゼロにするという政府目標に向けたより一層のSARデータの有効活用について、それぞれの機関の代表者がパネリストとなり会場の参加者と活発な意見交換が行われました。
また本セミナーに先立ち、6月5日、6日にはIbamaの法定アマゾン各州の環境分析官16名を対象にした、SARデータの技術的な仕組みおよびSARデータの解析方法に関するワークショップがJAXAの短期専門家を講師として行われました。このワークショップにおいても参加者から「日本の衛星レーダとブラジルの既存衛星のデータとの整合性を高めるにはどうしたら良いか、選択的に森林伐採を検知するにはどうしたら良いか」などの質問や、ALOS-4の仕様について多くの関心があり、様々な質問や意見があげられました。
今後、法定アマゾン各州での衛星データ活用による違法森林伐採検知の技術向上につながることが大いに期待される、3日間のワークショップとセミナーになりました。

6月7日のセミナーの様子

6月7日のセミナーの様子

6月5日のワークショップ一日目の様子

6月5日のワークショップ一日目の様子

JAXA短期専門家による発表

JAXA短期専門家による発表

セミナー全体集合写真

セミナー全体集合写真