【日アフリカ官民経済フォーラムサイドイベント】「アフリカと日本のビジネスの架け橋となる官民人材の育成」をコートジボワールで開催しました
掲載日:2024.12.24
イベント |
会議名:「アフリカと日本のビジネスの架け橋となる官民人材の育成」
開催日:2024年12月17日
主催:JICA
場所:ソフィテル アビジャン ホテル イヴォワール(於アビジャン・コートジボワール)
日アフリカ官民経済フォーラム参加者、メディア等約250名
・開会/閉会挨拶・モデレーター:
フェリックス・ウフェ=ボワニ大学 アルバン・アウレ 日本センター長
・基調講演・ラップアップ:
ステレンボッシュ大学 スカーレット・コーネリッセン 日本コーナー長
・パネリスト
国際協力機構(JICA)中村俊之 理事長特別補佐
戸田建設株式会社 今井雅則 代表取締役会長
在コートジボワール日本企業代表・伊藤忠商事 岸健一 所長
コートジボワール高等教育・科学技術省 トカ・アルセン・コベア官房長官
コートジボワール投資庁 ティエリー・バドゥー投資促進局長
コートジボワール青年雇用庁 ヘルマン・ニクエ副長官
※コートジボワール高等教育・科学技術省ディアワラ大臣が臨席、パネルディスカッション後、登壇。
アフリカ諸国は人口ボーナス等から引き続き高い成長率を記録し、市場が拡大する傾向にあるものの、アフリカへの投資の課題に人材の不足があげられます。特に日本企業は仏語圏の社会、制度、言葉等に不慣れな面があり、投資のハードルは決して低くありません。このハードルを下げる意味で、日本とアフリカを「繋ぐ」優秀なアフリカ人材を育成することが、日本からの投資を呼び込み、現地での雇用を生む上で一つのカギになると考えられます。今般のサイドイベントは、それらの具体的な方策として、人材育成の必要性とあり方を議論し、関係する各アクターが今後の人材育成に対し、どのような役割を果たし、互いに協力すべきかを議論を通じ明らかにすべく、実施に至ったものです。
ウフェ=ボワニ大学 アウレ教授
パネルディスカッションのモデレーターを務めるウフェ=ボワニ大学アウレ教授は、本イベントの趣旨ならびに狙いについて説明したあと、本イベントへの期待を述べました。
ステレンボッシュ大学 コーネリッセン教授
ステレンボッシュ大学コーネリッセン教授は、過去70年間の日本のODAについての研究内容を基に、日本企業のアフリカ進出から見える、日本の対アフリカ投資の取組について説明を行いました。また、人材育成に向けた高等教育におけるマルチステークホルダー・パートナーシップの例として、ステレンボッシュ大学日本センターの紹介や、今後のアフリカと日本の架け橋となる人材を育成するためのアプローチについて説明しました。
パネルディスカッション全体
ウフェ=ボワニ大学アウレ教授がモデレーターとなり、JICA、民間企業代表を含む3名とコートジボワール政府代表3名をパネリストとして、以下の2つのテーマについて議論を行いました。
左から、コベア高等教育・科学技術省官房長官、ニクエ青年雇用庁副長官、バドゥー投資庁投資促進局長、今井戸田建設会長
それぞれのテーマについて、例えば日本側からは、日本とアフリカがWIN-WINの開発を行うために、アフリカと共創していくことの重要性が述べられました。また、日本企業にとってのアフリカ市場の魅力は若年層の多さや資源の豊富さであり、投資促進のためのPPP(官民連携)に関する法整備や透明性の確保を進めてほしいとの言及がありました。加えて、アフリカにおける人材育成は肝要であり、その際には文化の伝達などの側面を含めた育成が重要である等の発言がありました。
左から、中村理事長特別補佐、岸氏、コーネリッセン教授、アウレ教授
コートジボワール政府側からは、コートジボワール政府は若者の育成に力を入れており、教育と雇用市場の整合性を強化するための取組が始まったこと、また日本との連携強化や共創の枠組みを制度化する準備があること等が述べられました。
横浜市国際局グローバルネットワーク推進部 柳沢部長
また、横浜市国際局が登壇し、2025年の横浜でのTICAD9開催と2027年の国際園芸博覧会(GREEN×EXPO)を周知しました。また、横浜市国際局に同行していた日本アフリカ友好横浜市会議員連盟会長の佐藤市議会議員、ウェア元駐日コートジボワール大使等が紹介されました。
ディアワラ高等教育・科学技術大臣
最後に、ディアワラ高等教育・科学技術大臣が登壇し、本イベント開催への感謝と、コートジボワール政府として人材育成を重視していることについて改めて言及がありました。また大臣は、日本企業との共創の深化や、大学との共創による共同出資の奨学金制度の整備、また研究ネットワークの設立を進めていくことについて言及し、日本とコートジボワールの今後の官民両者の繋がりおよび架け橋となる人材育成に向けた期待を述べ、本イベントを締めくくりました。
本イベントを通じて、アフリカへの投資促進に向けた官民の人材育成の重要性が再認識されました。今後は、本イベントをきっかけとして、戸田建設の人材育成にかかる取組がコートジボワール国内で認知されること、また日コ双方関係者の更なる連携促進が図られることが期待されます。JICAは、今後益々投資への注目が集まるコートジボワールをはじめとしたアフリカ諸国において、幅広い活動に取り組むことで、アフリカへの投資促進を支援していきます。
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