ラオス・教育の鍵となる「先生」を育てる~全国8県の教員養成校が完工~
掲載日:2025.03.12
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2025年3月3日、ラオス無償資金協力「教員養成校改善計画」の完工式が、ビエンチャン県バンクンの教員養成校にて実施されました。
本協力は、全国8校の教員養成校(Teacher Training Collage: TTC)において、TTC及び付属校の新築・建替及び教育用機材の整備を行うことにより、就学前・初中等教育の新規教員養成及び現職教員研修の環境の改善を図り、基礎教育の質の改善に寄与するものです。
バンクン教員養成校付属校授業の様子
ラオスは東南アジア大陸部に位置する国。初等教育の就学率は 98.8%(世界銀行、2020 年)と高い水準を達成していますが、教育の質は依然として大きな課題となっています。2019 年に実施した、初等教育 5 年目の生徒を対象に実施した読み書き、算数の学力テストにおいても、対象国(カンボジア、ラオス、マレーシア、ミャンマー、フィリピン、ベトナム)の中で最も低いスコアとなりました。(UNICEF 及び東南アジア教育大臣機構、2020 年)。
社会経済成長に向けた人材育成及び労働力の質の向上を目指すラオスにとって、その前提となる初等教育の質の向上は優先的な課題です。特に、学校現場を担う教員の存在は、教育の質の向上に直結することから、ラオス政府はそのための制度構築に取り組むことを重点方針として打ち出してきました。
ラオスでは、新規教員(就学前、初等、中等教育)の約8割が、全国8校(首都ビエンチャン、ルアンナムター県、ルアンパバーン県、シェンクワン県、ビエンチャン県、サバナケット県、サラワン県、チャンパサック県)の教員養成校及び付属校で育成されます。また、現職の教員向けの研修と一体となった取り組みを通じて、教員養成校はラオス教員養成の中核として機能しています。
しかし、教員養成校及び付属校の施設の老朽化が進み、実習施設や図書館等の設備も不足していました。
本協力では全国8校の教員養成校及びその付属校(就学前、初等、中等教育)の新築・建て替え、教育用機材の整備を行いました。
完工したバンクン教員養成校
2025年3月3日に行われた完工式には、プット・シンマラヴォン教育・スポーツ大臣、小泉勉在ラオス国日本大使、小林美弥子JICAラオス事務所長を始め、教育スポーツ省関係者が参加しました。
式典後、参加者は両国の友好の象徴として植樹を行い、JICA海外協力隊の山本佳奈隊員が支援をする小学校1年生の算数の授業を含め、幼稚園、小学校、中学校での授業での様子を視察しました。
小学校授業視察の様子(左) 完工式典、植樹の様子
完工式の様子
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