JICA海外協力隊ラオス派遣60周年記念式典の開催
掲載日:2025.11.14
イベント |
ラオス派遣中の海外協力隊員49名が参加するとともに、ラオス政府からトンサワン・ポムヴィハーン外務大臣、サンティパープ・ポムヴィハーン財務大臣等関係省庁や実施機関の方々、小泉勉駐ラオス日本国大使、田中明彦JICA理事長、初代ラオス隊員5名のひとりである大西規夫氏ら総勢210名が出席しました。
JICA海外協力隊事業は1965年に始まり、2025年で60周年を迎えました。ラオスは協力隊が初めて派遣された国の一つであり、これまで延べ約1,110名の協力隊員が派遣されています。本式典は、ラオスへのJICA海外協力隊派遣60周年を記念して、派遣中隊員が決定した「結ぶ、繋ぐ、紡ぐ」をテーマに、日本とラオスの友好関係の深化及び協力隊事業のさらなる発展を目指して開催されました。
式典開始前、ラオス海外協力隊派遣60周年記念動画を上映するとともに、日ラオス外交樹立70周年親善大使であるヴァイオリニストの高嶋ちさ子氏から送られたお祝い動画メッセージを上映しました。
式典第一部では、トンサワン外務大臣並びにサンティパープ財務大臣から、これまでの海外協力隊の活動は、知識や技術の移転と交流に不可欠な役割を果たしていると高く評価され、特に地方のコミュニティへの貢献に対し、称賛の言葉が送られました。
(スピーチをするトンサワン外務大臣)
(スピーチをするサンティパープ財務大臣)
また、小泉勉駐ラオス日本国大使からは、60年を「還暦」にちなみ、干支が一巡して生まれた年の暦に戻ってくることから、新たな再スタートの気持ちで「人と人とのつながり」を重視した取り組みを続けていってほしいとの激励の言葉がありました。
田中明彦JICA理事長は、協力隊員の現地のコミュニティに根差した活動の積み重ねが両国の信頼関係の醸成に繋がっており、日本と世界の課題解決のため、協力隊の更なる発展に取り組むことを述べ、協力隊事業へのラオス政府及びラオス国民からの理解と支援への感謝の意を表しました。
(スピーチをする小泉駐ラオス日本国大使)
(スピーチをする田中理事長)
また、初代協力隊員として、ラオスのサラカム稲作試験場にて活動を行った大西規夫さんは、ラオスの人々からのあたたかな支援を受けながら、多くの苦労を乗り越え、日本式稲作栽培の技術指導と普及のために活動された経験を紹介し、今ではその技術が全土に広がり、コメの収穫増につながっていることを聞き感無量であるとラオスの発展への称賛とともに祝辞が送られました。
(スピーチをする、初代協力隊員としてラオスに派遣された大西規夫さん)
その後、現在ラオスで活動をしている2名の隊員が、ラオス語でスピーチを行いました。ウドムサイ県の商工会議所で活動している岡田葉留佳隊員は、ラオスの伝統工芸品の継承のため、商品のデザイン改善や販路拡大に取り組んでいること、ルアンパバーン県の子ども文化センターで活動している久野純平隊員は、ラオス伝統文化の継承・子どもの情操教育のため、ラオスの伝統舞踊や伝統楽器の指導のサポートや日本との交流機会の実施などに取り組んでいることを紹介しました。
(スピーチをする岡田隊員)
(スピーチをする久野隊員)
式典第二部では、ラオス柔道連盟で柔道の指導・普及活動を行っている菊地友輝隊員による柔道のデモンストレーションや、有志の協力隊員とラオス人らによる、よさこいや南中ソーランが披露され、最後には参加者全員でラオスと日本の文化を融合したラオ盆踊りを踊りました。
(柔道のパフォーマンスの様子)
(よさこいのパフォーマンスの様子)
式典の最後には、ラオスに派遣された元JICA海外協力隊員で、ラオスOV会※会長である加藤友章さん、チャンパサック県の水道公社にて活動を行っている川口泰広隊員が挨拶を務めました。加藤さんは、ラオスの協力隊の60周年のテーマである「結ぶ、繋ぐ、紡ぐ」を通じ、これまで約1,110名の隊員によって積み重ねられ、協力隊の歴史が築かれてきたことを振り返り、その歴史を未来に向かってさらに繋げていきたいと述べました。川口さんは、ラオスの人々による協力隊へのあたたかな支援への感謝を述べ、ラオスと日本を繋ぐため、今後も活動に励むことを誓いました。
(スピーチをする加藤OV会長)
(スピーチをする川口隊員)
※OV会とは
帰国したJICA海外協力隊によって結成され、開発途上国での貴重な経験や様々な気付きを日本社会に還元するために、各地域において国際理解教育、地域の活性化、在日外国人のための支援やJICA海外協力隊事業の啓発、自然災害発生時の復旧・復興支援など様々な活動を行っています。 国別、県別、分野別など様々なOV会があります。
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