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【COP30サイドイベント】国際開発金融クラブ・ハイレベルイベント:次の気候ファイナンスへの視座

掲載日:2025.12.10

イベント |

報告者

氏名 所属 肩書
稲田恭輔 JICA サステナビリティ推進担当特命審議役

概要

開催日:2025年11月13日
主催:国際開発金融クラブ(IDFC)
会場名(パビリオン名):IDFCパビリオン

登壇者

氏名 所属 肩書
タチアナ・ロシト ブラジル財務省 国際担当次官
レミー・リウ フランス開発庁(AFD) 総裁
ネルソン・エンリケ・バルボア・フィロ ブラジル国立社会経済開発銀行(BNDES) 戦略・事業構造局長
ジェイ・コリンズ シティ銀行 副会長
ヨルゲン・ケルム ドイツ復興開発金融公庫(KFW) 最高サステナビリティ責任者
稲田恭輔 JICA サステナビリティ推進担当特命審議役

背景・目的

・国際的な気候ファイナンスの枠組みにおけるIDFCのリーダーシップを再強化することを目的としたイベントです。また、関連する国際交渉に戦略的なインプットを提供することを目的としていました。
・2035年までに1.3兆ドルの気候資金を動員するための公的開発銀行、MDBs、気候ファンド、民間セクターの具体的なパートナーシップに焦点を当てました。

内容

・ブラジル財務省ロシト次官は、COP30で公表した気候資金の1.3兆ドルロードマップは民間資金の重要性を強調しているが、触媒となる公的開発銀行の役割が大事としました。その上で、事業が実施される新興国・途上国のカントリープラットフォームでは、従来の国際的な資金と事業側のニーズのマッチメーキングを超えてPPPを実現したいとしました。
・AFDリウ総裁は、COP30で発表したIDFCの声明では、気候ファイナンスを増やしていくことを掲げており、民間資金の動員や保証拡充などのイノベーションを通じて革新的なファイナンスを目指したいとしました。
・BNDESフィロ局長は、アマゾン地域での事業を例にとり、気候ファイナンスを実施する上での準備作業の重要性を強調しました。
・Citi Bankのコリンズ氏は、民間金融機関として新興国・途上国に設置されるカントリープラットフォームの機能に注目sており、GHG排出量が多いものの削減が簡単には進まないHard to Abateセクター(鉄鋼、セメント等)での分野レベルでの連携強化を強調しました。
・KfWケルム局長は、国際情勢を踏まえつつ、イノベーションなどを通じて民間資金動員を実現するためのレバレッジを意識した活動を実施してきたいとしつつ、COP30でBNDESとの間で融資契約を結んだように、IDFCメンバー間での連携が重要としました。
・稲田特命審議役は、①民間・革新的ファイナンスの拡充(JICA法改正や民間資金動員業務創設、GCFの認証ステータスの拡充など)や②生物多様性主流化の本格導入(JICA Biodiversity Finance Impact Tool (Biodiversity FIT)の開発等)、③IDFCメンバー機関への融資(南部アフリカDBSA、西アフリカBOAD、ブラジルBNDES)など、この1年間のJICAの気候・自然環境保全ファイナンスの強化を共有しました。

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登壇者集合写真

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パネルディスカッション