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【COP30サイドイベント】ラウンドテーブル会合「ギャップへの対応―自然に基づく解決策のための適応資金を拡大する上での障壁と促進要因」

掲載日:2025.12.10

イベント |

報告者

氏名 所属 肩書
吉田徹 企画部サステナビリティ推進室 企画役

概要

開催日:2025年11月18日
共催:WWF(世界自然保護基金)、UNEP-WCMC(国連環境計画・世界保全モニタリングセンター)、IDFC(国際開発金融クラブ)
会場名(パビリオン名):IDFCパビリオン

登壇者

氏名 所属
吉田 徹 国際協力機構(JICA)企画部サステナビリティ推進室
ロドリゴ・ガルシア・ラモス・トスタ ブラジル開発銀行(BNDES)
アティカ・ベン・メイド フランス開発庁(AFD)
アレクサンダー・フォン・カプヘール ドイツ復興金融公庫(KfW)
アンジェラ・トルミン ドイツ復興金融公庫(KfW)
マヌエル・プルガル・ビダル 世界自然保護基金(WWF)

背景・目的

気候変動による洪水や干ばつ、海面上昇などの影響が世界で深刻化し、脆弱な地域の経済や政府予算に影響を与えているため、自然に基づく解決策(NbS)により適応資金拡大によりレジリエンス構築が急務。NbSはマングローブ再生や湿地保全などを通じて低コストで持続可能な適応策を提供し、生物多様性や生計改善などの共便益ももたらすが、投資は依然不足している。障壁として政策の不明確さ、収益を生む案件の不足、リスク認識、指標不足などがあり、これを解決するためにWWFとUNEP-WCMCはグローバルプラットフォーム「PLAN」を構築中。本会合では障壁分析、成功モデル紹介、協働促進を通じてNbS投資拡大のための技術基盤を形成する。

内容

自然に基づく解決策(NbS)への適応資金拡大に関する課題と機会を議論。JICAは技術協力と資金協力を組み合わせ、統合的アプローチによるNbSについて、森林保全や水資源管理など4分野の多岐にわたる取組を紹介。BNDESは適応投資の収益性を強調し、AFDは指標不足と「コンクリート偏重」への懸念を指摘した。KfWはモザンビーク洪水事例を挙げ、生物多様性の主流化を訴え、DBSAはNbS評価手法への批判を共有した。ADBはコスト効率性と指標整備の重要性を強調し、NbS金融ハブや幹部研修の必要性を提案。その他、適応基金の縦割り課題や、ガンビアによる女性参加型海洋プロジェクトなど多様な事例が紹介された。これらの課題を解決するためにWWFとUNEP-WCMCがグローバルプラットフォーム「PLAN」を構築中であり、官民連携と革新的金融モデルを通じてNbS投資拡大を目指す方向性が確認された。

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ラウンドテーブル会合の様子