jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

【COP30サイドイベント】インドネシアにおける森林火災および温室効果ガス排出削減に向けたManggala Agniの能力強化

掲載日:2025.12.10

イベント |

報告者

氏名 所属 肩書
吉村美弥 地球環境部 専門嘱託

概要

開催日:2025年11月18日
主催:インドネシア林業省(森林火災管理局)
会場名(パビリオン名):インドネシアパビリオン

登壇者

氏名 所属 肩書
トーマス・ニフィンルリ インドネシア林業省 森林火災管理局長
ララ・ステイル FAO(国際連合食料農業機関) 統合火災管理担当林業官
ソン・ミン・ユン 韓国山林庁 国立森林研究所
久保英之 JICA 森林土地火災予防のためのコミュニティ運動プログラム実施体制強化プロジェクト チーフアドバイザー

背景・目的

近年、森林火災は生態系や気候変動、生物多様性に深刻な影響を与える環境・経済課題として国際的に注目されています。インドネシアでは、乾季を中心に毎年火災が発生し、その多くが人為的要因によるものです。本イベントでは、FAOの「グローバル森林火災管理ハブ」の柱の一つである能力強化に焦点を当て、Manggala Agniの取り組みを通じて、GHG排出削減とFOLU Net Sink 2030達成に向けた国際協力の可能性を探ります。

内容

・本イベントは、林業省火災局のイスラール副局長のイニシアチブで企画実施されたものである。彼の意図としては、FAOが主宰するネットワークであるGlobal Fire Management Hubに対して、Manggala Agni(林野消防署)のキャパビル成果をインプットし、国際ネットワークにおけるインドネシアの存在感を高めたいという意向があったと考えられる。
・上記背景により、プレゼンの内容も、トーマス火災局長のキーノートスピーチの後にイスラール副局長から全体像(インドネシアの火災状況、Manggala Agniの説明、Fire Hubの説明、Manggala Agniキャパビル活動の説明)の話があり、そして、FAOからGlobal Fire Management Hubについての詳細説明、その後にKFSとJICAからキャパビル案件の内容説明、という形式になっていた。主催者の意図がイベントの形式に良く表現された良質のイベントであった。
・JICAからは、Community Based Fire Management(CBFiM)を進めるためのキャパビル活動と具体的なインパクトについて報告した。これは、Fire Hubのコア活動の一つがCBFiMの推進であることから、現在技プロで進めているMAPD活動(火災局の政策)をCBFiMとして位置づけたものである。このメッセージはイスラール副局長にも即伝わり、イベント終了後、技プロ活動の成果をFire Hubにインプットしていきたい、という要請を受けた。
・各プレゼンの内容から判断する限り、各キャパビル活動は「活動実施」のみに焦点が当たっており、活動の現場レベルでのインパクトまで視野に入れているのはJICA技プロのみであった。今後は、インパクトと持続性の観点をより前面に出して情報発信していくこととする。

photo

久保専門家ご発表の様子

photo

プロジェクト紹介の様子

photo

ディスカッションの様子