【COP30サイドイベント】IDFC Scaling Up Nature-based Solutions (NbS): The Role of Public Development Banks in Driving Finance for People and Planet
掲載日:2025.12.19
イベント |
掲載日:2025.12.19
イベント |
| 氏名 | 所属 | 肩書 |
| 谷口 光太郎 | JICA | 企画部サステナビリティ推進室 参事役兼副室長 |
開催日:2025年11月17日
主催:国際開発金融機関クラブ(IDFC)
会場名(パビリオン名):IDFCパビリオン
| 氏名 | 所属 | 肩書 |
| ムスタファ・クレイシュ | 国際開発金融クラブ(IDFC) | Facility Director |
| ジョアン・ロドリゲス・ベネビデス | ブラジル開発協会(ABDE) | Director |
| マリー・トレモレ | 世界自然保護基金(WWF) | Programme Officer for Regional Cooperation in the Guiana Shield, WWF-French Guiana |
| ナジマ・モハメド | 国連環境計画世界自然保全モニタリングセンター(UNEP-WCMC) | Head of Nature-based Solutions |
| ピーター・ヒリッグス | ドイツ復興開発金融公庫(KfW) | Chief Climate Officer |
| 稲田恭輔 | JICA | サステナビリティ推進担当特命審議役 |
| アティカ・ベン・メイド | フランス開発庁(AFD) | Deputy Head of Climate and Nature |
| ナビル・モウラ・カドリ | ブラジル開発銀行(BNDES) | Deputy Managing Director for Environment |
・開発銀行が自然に基づく解決策(NbS)を拡大し、気候適応に貢献する戦略的役割を示す
・開発銀行ネットワークを活用してNbS関連プロジェクトに資金を動員する事例を紹介する
・ラテンアメリカ・カリブ地域を中心に、アフリカ、アジア、欧州の具体的な経験と教訓を共有する
・NbSを開発銀行業務に主流化する上での主要な障壁と機会について対話を促進する
・NbS、気候適応・緩和、生物多様性保護の間の相乗効果を探り、GBF(グローバル生物多様性枠組み)およびパリ協定達成への貢献を強調する
・民間部門とのパートナーシップや、ブレンデッド・ファイナンス、グリーンボンド、生物多様性ファンドなど、NbSプロジェクトを銀行融資可能にする革新的な手法を紹介する
・IDFCを自然資本および気候ファイナンスの推進役として位置づける
・冒頭、IDFCより、気候変動と生物多様性が密接に関連しており統合的なアプローチが重要であること、気候変動と比較して生物多様性への資金動員は非常に限られていること、開発銀行(PDB)は資金面と能力強化の両面で貢献できること、民間資金の呼び込みも期待されること等について指摘があった。
・続いて、ABDEは、自然を活用した解決策(NbS)はトップダウンで行うものではなく、地方政府、伝統的コミュニティー、市民社会などの参画が重要であること、地域の課題を地球規模の課題に結び付けてスケールアップして地域の声を世界へ繋ぐことが重要であることを指摘したうえで、国が政策や技術支援、民間が資金提供、地域がイニシアティブを執り人々の生活にポジティブなインパクトをもたらした事例を紹介した。
・パネル討論の前半では、WWFから森林保全のみならず先住民の生活や文化の保護を行ったNbSの事例を、UNEP-WCMCからデータに基づくNbSの取組を行うことでコミュニティの参画が確保されるとともにPDBも適切なファイナンスの意思決定が可能になること、ABDEから学界、コミュニティ、公的機関、民間、市民社会などのステークホルダーを巻き込み、シードマネーをイノベーションに活用することでコミュニティのエンゲージメントを増やすことにつながった事例を紹介した。
・パネル討論の後半では、PDBの役割について意見交換が行われた。KfWは、コミュニティ主導のプロジェクトに対するPDBの関わり方として、100%グラントでは事業はうまく行かず、コミュニティにとってもPDBにとっても利益が得られるよう、公益と経済的リターンをともに確保することの重要性を訴えた。JICAは、法改正により債券取得や信用保証など金融手法の拡充が可能になったこと、生物多様性の主流化促進支援ツール(JICA Biodiversity-FIT)を開発中であることを紹介した。AFDは、気候-自然ロードマップ2026-2030の下でNbSの取組を強化していること、地滑り対策として植林を行ったインドの事例、ADBと協調融資を行った東南アジア地域におけるNbSの事例、カーボンクレジットやブルーカーボン、サステナビリティ―リンクローンなどの取組事例などを紹介した。BNDESは、KfWと協調融資を行った森林保全事業、サンゴ礁の回復事業、譲許的な気候基金を活用した事業などについて紹介した。
・最後に、モデレーターから、NbSが開発、ファイナンス、レジデンスを考える上での中心的命題になっており、科学的知見に基づくデータやローカルコミュニティーの参画が重要であること、PDBが事業効果を高める取組をしていることを再確認した。
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