京都大学野生動物研究センターとキルギス日本センターの連携協定締結

2022年5月10日

2022年4月1日付で、キルギス日本人材開発センター(KRJC)は京都大学野生動物研究センターと連携協定を締結しました。

京都大学野生動物研究センター(WRC)は、長年キルギスにおいて、野生動物の研究を行っています。WRCでは、センターのマンデートの一つでもある研究成果のアウトリーチ活動として、キルギスの教育現場にアクセスする機会を探っていました。キルギスの若者たちに自国の稀少な野生動物についての理解を深めてもらい、ワイルドライフの研究がもっと身近な存在となるように、そして、命をつなごうとする様々な動物たちの姿を通して、一つひとつの命を守ることの大切さを理解してもらうようにとの想いを有してのものです。

昨年10月、特にキルギスと関係の深い京都大学(白眉センター所属)の相馬拓也・特定准教授から、KRJCに対して本件相談が寄せられました。KRJCとしても、この取り組みを支援することは、日本とキルギスとを結ぶプラットフォーム機能の強化という組織目標に合致するとの認識のもと、WRCと協力の方向性につき協議を重ねてきました。

その結果、WRCのアウトリーチ活動を、KRJCが協力関係を有するキルギスの初・中等教育機関を対象として展開支援していくこと、およびWRCのキルギスにおける研究活動を、KRJCがロジスティック面でサポートをしていくことを柱とした協力内容に合意し、京都大学教授・伊谷原一・現WRCセンター長と岩井淳武KRJC共同所長の間で協定書に署名が交わされたものです。

5月10日には、協定に基づく活動の第1弾として、「シルクロードの野生動物-ヒトと動物の3000年を探ってみよう!」をテーマに、日本語教育や日本式教育が導入されている2つの学校(ビリムカナ・リュクセンブルク校、テンサイ・キルギス日本学校)で第1回アウトリーチ活動が行われました。両校ともに、日本では小学校高学年から高校生に相当する多くの生徒が参加し、自分たちのまだ見知らぬ自国の貴重な動物の様々な情報に興味津々に耳を傾け、次から次に活発な質問が寄せられました。

こうしてWRCによる中央ユーラシアの研究成果が、シルクロードの交易路として栄えた悠久の天山山脈に広がる街の生徒たちに届けられました。日本の大学の研究と、キルギスの若者たちを好奇心とたくさんの笑顔溢れる場で結ぶ機会ができたことを、KRJCとしても大変嬉しく思っています。

KRJCは、キルギスと日本の様々な組織や人々を結ぶプラットフォームです。今回のWBCとの協定締結は、その機能と日本の大学のキルギスにおける研究・アウトリーチ活動とを掛け合わせるという、KRJCにとっては、これまでにない新たな切り口での成果となりました。KRJCでは、これからもWRCと連携して、日本語を学び日本文化に触れ、未来の日本との懸け橋となってくれるであろうキルギスの若者たちに、ユニークな学びや気づきの場の提供に努めて参ります。

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