キルギスと日本の教育交流の新たなハイライト: キルギス日本センターの共同所長、岩井淳武氏が大臣勲章を受章

2023年6月2日

2023年5月19日、キルギス日本センター(KRJC)の共同所長、岩井淳武氏がキルギス共和国教育大臣イマナリエブ氏から特別な栄誉、大臣勲章を授与されました。これはイマナリエブ教育大臣の初の勲章授与であり、この一つのメダルは、KRJCの活動とそれがもたらしたキルギスと日本間の教育交流の進展を力強く象徴しています。

2020年以来、KRJCは「日本とキルギスの様々な組織や人々を互恵的につなげるプラットフォームの強化」を新たな組織の目標と定め、ビジネス、教育、地方自治体など多様な分野で新しいパートナーシップを構築する活動を推進してきました。その成果が今、教育分野においても鮮やかに現れています。以下、過去2年強にわたるKRJCの教育分野でのプラットフォーム機能の成果の一部を紹介します。

• 日本留学フェアと日・キ間交流協定:新たな教育交流の潮流を創出
KRJCでは、毎年留学フェアを開催していますが、日本からの参加校数が2019年以前と比べ12倍に増え、2020年~2022年の3年間で日本から延58校が参加しました。留学フェアの実施を通じて、KRJCがつなぎ、支援した16の日本とキルギスの大学間の個別面談の実現へとつながりました。それらの面談は互いの理解を深め、新たな交流の機会を生み出しました。そして、日本とキルギスの大学/教育機関間の8つの交流協定の締結を支援。それら協定締結を通じ、年間10名以上の授業料相互免除の新たな交換留学プログラム等が生まれ、実際の相互留学が始まる新たな道を開きました。

• 日本の大学生、キルギスへ!KRJCが創り出す新たな気づきと学びの場
KRJC自身が日本の大学と協定締結を通じて、多角的な交流を実現しています。その一環として、2022年4月から関西学院大学の学生2名を各々5ヶ月間インターンとして受入れました。また、神戸市外国語大学の学生を新たに2023年9月からインターンとして6ヶ月間受け入れる予定です。京都大学野生動物研究センターとは、同センターのキルギスにおける研究成果を、キルギスの学校現場に広めるアウトリーチ活動の展開を支援しています。加えて、神戸大学から17名の学生が参加するキルギススタディツアーを2023年9月に実施します。更に、来年度には新たな日本の大学からもキルギススタディツアーを受け入れる予定であり、現在協定締結手続きを進行中です。

• キルギスと日本の幼児教育をつなぐ新たなパートナーシップの形成
キルギスは、若年層人口割合の高い国です。しかし、就学前教育に通えている児童は25%しかおらず、各種の課題を抱えており、キルギス政府でも幼児教育改革に向けた取り組みが進められています。そのような状況下、KRJCは、2023年5月、日本の豊富な経験と実績を有する幼児教育企業と、キルギスの日本式・日本語教育を導入した教育機関との交流協定締結を支援。その後、同企業代表取締役が同月にキルギスを訪問し、キルギス教育省主催による、キルギス全国の幼児教育関係者を幅広く対象とした公開セミナーが開催されました。教育大臣はじめ、政府、学校の幼児教育関係者・教員と活発な意見交換が行われ、日本とキルギスの幼児教育分野での交流が開始されました。

• KRJCロシア語1カ月コース新設:日本人学生とキルギス家庭の年間800人泊の交流の機会創出
 ロシアを巡る国際情勢を背景に、ロシア語が公用語であるキルギスにおいて、2023年8月より、「KRJCロシア語1カ月スキルアップコース」を新たに開設予定です。今回は、筑波大学、早稲田大学、上智大学、東京外国語大学、富山大学、金沢大学、神戸市外国語大学、京都外国語大学から、ロシア語を専攻する学生が、コース定員の上限となる合計20名参加予定。全ての参加学生に対して、20泊のホームステイプログラムを提供します。年2回の開催を予定しており、年間で新たな800人泊(20人×20泊×年2回)の日本人学生とキルギス人家庭との直接的な交流の機会を創出します。

KRJCの活動は、これまで注目が少なかったキルギスと日本の教育界をつなぐ新たな道を開いています。特に、未来を担う若者たちがキルギスと日本を結ぶ新たな架け橋となるよう、そしてそのことを通じて日本国内でもより多くの人々にキルギスのことを知ってもらえるように、一層の交流機会を創出し、それを実行に移すことを強く推進しています。

私たちKRJCは、今後もキルギスと日本の各組織や人々が互恵的な関係を構築し、継続・発展できるよう、全力で支援を続けます。イマナリエブ教育大臣からの勲章授与は、私たちが歩んできた道のりとこれからの進むべき道への新たな激励となります。これからも私たちKRJCの活動にご期待ください。

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