2006年 インドネシア ジャワ島中部地震

緊急援助から復興支援まで切れ目のない支援を

2006年5月27日、インドネシアの古都・ジョグジャカルタでマグニチュード6.3の大地震が発生。これによる死者は約5,800名、負傷者は約138,000名にのぼり、その惨状は世界に伝えられました。日本はインドネシア政府の要請を受け、いち早くJDR医療チームを派遣。10日間にわたり、献身的な活動を行いました。

先遣隊(緊急援助調査チーム)の派遣

今回の医療チームの派遣にあたっては、いくつかの先進的な試みがありました。一つ目は7名の先遣隊の派遣です。医師2名、看護師2名を含むこの先遣隊の活動により、地震が発生した2日後には現地で医療活動を開始できたのに加え、1日後に現地入りした本隊のスムーズな活動開始につながりました。

被災地医療施設の本格的支援

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先遣隊活動開始

二つ目は、被災地医療施設の本格的支援です。今回医療チームは、最大の被災地・バントゥール市でも最大規模のムハマディア病院の前の道路で診療サイトを開設し、同病院をサポートする形で診療を行いました。初期は同病院で対応しきれない患者を診療していましたが、JDR医療チームの資機材だけでは対応できない患者が診療サイトに来た際は同病院に搬送して診療を依頼するなど、双方が緊密な連携を保ち、相互補完しながら活動することができました。同病院は近郊のメラピ火山の噴火に備え防災対策を行っていたこともあり、医療チームが活動を終える頃にはいち早く機能を回復し、医療チームの活動を無理なく現地の医療機関に引き継ぐことができました。

本格的な巡回診療および国際機関との連携

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巡回診療を行う隊員

三つ目は、本格的な巡回診療および国際機関との連携です。バントゥール市を拠点に、車で30分〜1時間位離れたところにある5つの村に医師と看護師がペアで巡回し、処置を行いました。重症の患者がいた場合は、本人の意思及び病院の受け入れを確認した上で近くの処置可能な病院に搬送。搬送の際は、緊急時の車両を手配していたIOM(国際移住機関)と連携しました。

切れ目のない(シームレスな)援助への試み

最後は復興支援調査担当2名の参加です。このチームのミッションは、緊急支援に続く復旧・復興支援のニーズをいち早く把握し、迅速かつスムーズな復興につなげることでした。同チームの成果もあり、日本が初中等教育、保健医療、水道分野に重点を置いた復旧・復興支援に取り組む意志を他国に先駆けて表明し、インドネシア政府から高い評価を得ました。

日本の対応:
  • 医療チーム:26名(先遣隊7名含む)
    先遣隊:5月28日〜6月10日
    本隊:5月29日〜6月10日
  • 自衛隊部隊:264名
    2006年5月30日〜6月21日
  • 物資供与:
    2000万円相当の緊急援助物資(テント、スリーピングマット、毛布、発電機、コードリール、簡易水槽、浄水器、プラスチックシート)をインドネシア政府に供与