2008年 中国西部大地震

−初のチャーター機活用による迅速な派遣−

2008年5月12日、14時28分(現地時間)、中国西部の四川省の省都である成都から北西約90kmのブン川県において、マグニチュード7.9の大規模な地震が発生しました。これによる被害は死者69,227人、行方不明者17,923人、負傷者374,643人と甚大な被害となりました。この被害に対し、日本は救助チームと医療チームの派遣、また6,000万円相当の物資供与を行うなど、中国政府の要請に応えました。

派遣決定後6時間での出発、そして初のチャーター便による派遣

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チャーター便で被災地に向かう救助チーム

5月15日正午頃、日本政府は中国政府の要請を受け、派遣を決定しました。日本は中国政府の期待に応えるべく、迅速な対応を行い、派遣決定から約6時間で第1陣が日本を出発するという極めて素早い対応がとられました。

そして翌16日13時17分に第2陣が、日本からは初となるチャーター便により派遣されました。従来、チャーター便の利用は困難でしたが、国内環境の変化に伴い、2006年にJICAと株式会社日本航空の間でチャーター便運用に関する覚書を締結し、JDR派遣の際にチャーター便を利用することができるようになりました。中国への派遣は覚書締結以来、初の大規模なJDRの派遣であり、チャーター便により直接被災地の成都に向かうことができ、それにより極めて迅速に活動をすることができました。チャーター便は医療チームの派遣にも活用され、その有用性が実証されました。

救助から医療、そして復旧・復興へ

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瓦礫内で捜索活動を行う救助隊員

この派遣では救助チームがまず活動を行い、救助チームの帰国のタイミングに合わせ、医療チームが派遣されました。その際、救助チームに帯同する医療班により医療チーム隊員に対し、現地医療事情の説明が行われ、その後の医療チームの活動方針を決める大きな要素となりました。

この両チームの活動後、JICAでは復旧・復興のための調査団を7月に派遣し、中国側の緊急救援能力の強化や被災者のこころのケアに関するプロジェクトなど、緊急支援から復旧・復興まで包括的なアプローチにより、支援を行っています。

日本の対応:
  • 救助チーム:
    第1陣(32名):5月15日〜21日
    第2陣(29名+救助犬3頭):5月16日〜21日
  • 医療チーム:23名
    5月20日〜6月2日
  • 物資供与:
    6,000万円相当の緊急援助物資(テント、毛布、プラスチックシート、スリーピングマット、ポリタンク、浄水器、簡易水槽(3000L)、発電機(コードリール付)を中国政府に供与