〈JICA海外協力隊グローカルプログラム〉九州センター滞在で得たこととこれからの抱負

【 原武 和琴 】  実習先:熊本県芦北町 派遣国:ケニア 職種:コミュニティ開発

こちらは北九州市環境ミュージアムの展示品。拾ったゴミがアートに!
「ゴミ」の見方を変えるとおもしろい世界が待っていそう!

廃校を利活用した「いいかねPalette」
誰でも自由に使える楽器。身近に音楽があるっていいですね

廃校を利活用した「いいかねPalette」
教室だったこの部屋はプレイルームに。卓球、漫画、テレビゲームもありました。

JICA九州センターの食堂は、ごはん大盛りOK!おかわりもOK!
食堂のスタッフさんも優しかったです!ごちそうさまでした。

 私は7月からJICA海外協力隊としてケニアへ派遣される予定ですが、その前に実習プログラム、語学訓練とやることが盛り沢山です。1月9日-1月13日に実習開始前のプログラムのため福岡県北九州市にあるJICA九州センターというところで研修&宿泊しました。

 ここでは主に、実習プログラムの目的理解、活動の進め方など座学を中心に行ったり、その他グループワーク、顔合わせ、面接など忙しくも充実した毎日を送りました。(初めてのことばかりで緊張も多いですが・・・)そんな中で1番楽しい時間は、そうです、食事の時間。JICA九州センターには食堂がついており、さらに国際的なセンターということもあって外国の料理を選ぶことができます。欧風ポークカレー、ビリヤニ…美味しかったな〜。隣の席にタンザニア人がいたので、勉強したスワヒリ語を喋ってみたら盛り上がったのもいい思い出です。
 また北九州市にいるとのことで、2つの施設を見学させてもらう機会もありました。

 1つめは、北九州市環境ミュージアム。ここでは北九州市の歴史を「環境」という観点から学ぶことができます。「空の公害」「海の公害」と呼ばれる公害が起きた1960年代の北九州市。小学校には全国で初めて空気清浄機が導入され、海にすむ生き物が全くいなくなった、そんな時代でした。しかしそこから市民・行政・企業が協力し改善されていくのですが、その間、裁判が一件も起こらなかったそう。国内・国外の公害問題をみても裁判ゼロは、何と世界で唯一!昔から、官民そして住民との良好な関係が保たれていた北九州市。すごい!

 2つめは、“いいかねPalette”という廃校を利活用した施設。中に入ると、教室が音楽スタジオになっていたり、校長室が宿泊施設になっていたりと、学校だったとは思えない、そんな施設でした。そのほかにも、キッチン、カフェ、展示室、プレイルームなど、たくさん面白い場所がありました。でもところどころに懐かしさを感じる背の低いイスや机、蛇口、「あいさつをしよう」という看板なんかもあったり・・・。すべてを新しいものに変えるのではなく、これまであったものにプラス新しいものを足していくのも素敵だなと感じました。

 さて、さまざまな研修を重ねた5日間でしたが、次はいよいよ熊本県・芦北(あしきた)町で実習がはじまります!熊本県の南部に位置し、山も海もある自然豊かなところですが、2020年7月に起きた集中豪雨により大きな被害を受けた町でもあります。芦北町はもちろん、初めての熊本なので不安もありますが、素敵な経験が積めるよう、アンテナ高く、楽しむことを忘れずに頑張りたいと思います。