<イベント報告・熊本>「コラボカフェ~中東・ヨルダンの暮らしと観光まちづくり~」を開催しました!

2020年8月12日

現地での様子について写真を交えながら話す成田さんとそれに聞き入る参加者のみなさん。

カルダモンの香りが印象的なトルココーヒー。コーヒーの粉が沈殿してから上澄みをいただきます。

8月2日(日)午後、「コラボカフェ~中東・ヨルダンの暮らしと観光まちづくり~」を開催しました!
(コロナ禍のため、感染防止対策を徹底した上でイベントを実施いたしました。)

「コラボカフェ」とは、世界のいろいろな国のお茶や特産品をいただきながら、それらにまつわる文化や歴史を深く学ぶ講座です。JICA海外協力隊として世界各国で過ごしてきた元隊員が、ホストとして皆様をおもてなしします。

今回は、過去3度にわたりヨルダンで短期隊員のご経験があり、現在もヨルダン在住(コロナウイルス感染拡大のため一時帰国中)の成田眞弓(なりたまゆみ)さんを案内役に迎え、約1時間半「中東・ヨルダン」の世界を味わいました。
一般的に中東といえば治安が不安というイメージがありますが、ヨルダンは実は治安がよい、アラビア半島に位置するものの石油が算出されないため石油王は残念ながらいない、冬には雪が積もることもある、という意外なお話から、死海にペトラ遺跡、ワディ・ラムなどの奥深い世界遺産にもなっている観光名所、独特なイスラム文化の世界、ホブズやマクルーベといった美味しそうな食べ物の数々など現地の魅力あふれるお話を写真も織り交ぜて語っていただきましたが、どれをとっても大変興味深いものばかりでした。

成田さんの海外協力隊としての活動のお話では、サルト・エコミュージアムに携わられ、古都サルトを“まちが博物館というコンセプト”に基づきまちづくりをされた様子を伺いました。現地の人の声に耳を傾けることで見えてくるもの、それをまち全体として伝える「エコミュージアム」という考え方は、ヨルダンに限らずこれからいろいろな国で広がっていくだろうという可能性を感じました。

印象的だったのは、3回も活動のため現地へ行き、そして今も現地で生活したいと思えるその魅力の源は、現地の親切な「人」だということ。また、“異文化理解は平和への第一歩”であり、ただ観光するだけではなく、たとえば現地のお母さんたちの手料理を味わい、話を聞くことでヨルダンという国をもっと深く知ることに繋がる、ということです。
シリアやパレスチア難民も多く暮らしており、紛争地域と隣り合わせのヨルダンだからこそ見えてくる平和の尊さ。それを身をもって体感している成田さんのお話は本当に心に響くものでした。

9名の参加者の皆様は、成田さんが淹れたトルココーヒー(中近東地域で広く飲まれているコーヒーの淹れ方の一種)と、イスラム教の断食後最初に口にする神聖な食べ物とされるデーツを味わいながら、成田さんのお話に終始聞き入られていました。終了後には次々と質問が挙がったり、会場内に展示されていたヨルダンに関する書籍や衣装など(いずれも成田さんの私物)を真剣に見られたりと、皆様の関心の高さが伺えました。

ご来場くださった皆様、本当にありがとうございました!シュクラン!(アラビア語でありがとうの意味)
(次回のコラボカフェは10月オープンを予定しております)

(JICAデスク熊本 担当:尾上)