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<イベント報告・大分>国際理解サロン「おおいたde世界旅行 ~海外協力隊体験談を聞きながら、おおいたde世界を感じ、学ぼう~」【第3回~第6回】を開催しました

2020年11月24日

 JICAデスク大分では、「第15回おおいた国際協力啓発月間事業」の一環として、9月に続き、10月も、国際理解サロン「おおいたde世界旅行 ~海外協力隊体験談を聞きながら、おおいたde世界を感じ、学ぼう~」【第3回~第6回】を開催しました。

【第3回 カンボジア編】

第3回カンボジア編(10月3日)

 10月3日(土)、「第3回 カンボジア編」の講師は、中津市出身の末廣美和さんでした。末廣さんは県内の病院で看護師として勤務した後、2018年1月から2020年1月までの2年間、青年海外協力隊員として、「看護師」の職種でカンボジアに派遣されていました。

 カンボジアの伝統衣装を着て登壇した末廣さんは、冒頭で飛行機のスライドと機内アナウンスとともに、参加者の皆さんをプノンペンへ案内する演出もありました。現地での配属先の病院では、看護師としての活動以前に、病院の外に大量のゴミが回収されないままずっと放置されていて、中には使用済の点滴の管や医療用手袋などがそのまま捨てられていたり、病院内の薬剤倉庫には期限切れの薬品が山のように放置されていたりする現状に問題意識を強く感じたといいます。このような状況を踏まえ、末廣さんは5S委員会を立ち上げ、定期的にワークショップを開催し、勤務者側の啓発に努めるなどしたそうです。開催回数が進むと最終的には現地の病院側がリード役となって進行してくれるようになったと話していました。

 当日は11名の方にご参加いただきました。以下、事後アンケートから一部をご紹介します。

参加しようと思った理由:
 「コロナ禍で海外にも行けないので、楽しみにやってきました。」
 「カンボジアの生活・文化の様子を伺いたかった為。」

感想:
 「実際に協力隊で活躍された方のお話が聞けてとても勉強になりました。」
 「思ったことをたくさん言い合えるサロン形式はとてもいいなと思いました。」

【第4回 ベトナム編】

第4回ベトナム編(10月10日)

 10月10日(土)、「第4回 ベトナム編」の講師は、大分市出身の村上康明さんでした。村上さんは2017年3月から2019年3月までの2年間、シニア海外協力隊員として、「きのこ栽培」の職種でベトナムに派遣されていました。

 現地ではベトナム国立農業大学の生物工学部微生物工学科に配属されていた村上さんは、日本での長年に亘るきのこ研究のご経験を活かし、ベトナムの環境に合った方法での菌床シイタケの栽培法を研究され、最終的にはその研究した栽培法を英語版とベトナム語版のマニュアルにまとめました。また、大学の教官や学生とともに共著で論文も執筆されました。

 ベトナムの生活全般の中では、特に交通事情が印象的だったようです。大量のバイクで埋め尽くされる道路の様子や、そんな道路で横断歩道がなくても絶妙なタイミングで渡り切ってしまう現地の人たちのエピソードなど、写真や動画がたくさん紹介され、参加者の方々も興味津々の様子でした。

 当日は10名の方にご参加いただきました。以下、事後アンケートから一部をご紹介します。

参加しようと思った理由:
 「ベトナム、協力隊の活動に関心があったため。」
 「他国へ派遣された隊員から他国の話を聞いて勉強しようと思いました。」

感想:
 「とても興味深く楽しく学ぶことができました。ありがとうございました。」
 「この様な講座があれば積極的に参加したいと思います。いろいろな企画をよろしくお願いします!」

【第5回 ラオス編】

第5回ラオス編(10月24日)

 10月24日(土)、「第5回 ラオス編」の講師は、大分市出身の三浦洋明さんでした。三浦さんは2018年1月から2020年1月までの2年間、シニア海外協力隊員として、「合気道」の職種でラオスに派遣されていました。

 当日は合気道の道着を着て登壇した三浦さん。黒色のマスクととてもマッチしていました。現地では首都ビエンチャンで生活し、活動ではJICA支給の自転車を利用していたそうです。もし日本から旅行で訪れて市内を観光する場合は、レンタサイクル(1日1万〜3万キープで、日本円で115円〜345円ほど)を利用するのが便利とのことですが、よくパンクもするとお話されていました。

 配属先のラオス・日本武道センターは、日本の無償資金協力により建てられた施設だったそうです。活動では、合気道クラブのメンバーや指導者への稽古指導、稽古方法の改善指導等に従事されていました。赴任当初、稽古前の畳の雑巾がけは誰もしておらず、三浦さんが自分一人ででも行う姿を見せているうちに、次第に現地のメンバーが自主的に行うようになったそうです。ただ、個々人が自由な方向で雑巾がけをしてしまう点には片目をつぶったとのことでした。

 当日は7名の方にご参加いただきました。以下、事後アンケートから一部をご紹介します。

参加しようと思った理由:
 「東南アジアに興味がありますが、ラオスについての情報が少なく、文化・慣習を知りたかったから。」
 「協力隊の活動を聞きたかったから。」

感想:
 「大変楽しく勉強できて良かったです。」
 「情報の少ないラオスのことが聞けてよかったです。もっと時間がほしかったです。」

【第6回 ペルー編】

第6回ペルー編(10月31日)

 シリーズ最終回の10月31日(土)、「第6回 ペルー編」の講師は、別府市出身の的野慶子さんでした。的野さんは2018年1月から2020年1月までの2年間、シニア海外協力隊員として、「水泳」の職種でペルーに派遣されていました。

 当日は頭の上から爪先まで、ペルーの民族衣装をまとった姿で登場した的野さん。カラフルな伝統衣装の色彩と模様により会場の雰囲気は一気に華やぎました。着用していたマスクまで、なんとペルーの伝統的な布でご自身が作られたとのことでした。

 スライドでは、アンデス文明の歴史から始まり、ペルーの気候、様々な踊り、ナスカの地上絵をはじめとした遺跡など、ペルーについて多方面からの紹介がありました。クスコ地方の踊りの話に及んだ時、スライドの写真から、今日の的野さんの衣装はこれだ!と気付いた参加者も多かったのではないでしょうか。

 水泳隊員としての活動では、水泳連盟の子ども専用プールにて、水泳教室に参加する子どもへの指導を行っていたそうです。また、子ども病院のリハビリ科では水泳を通じたリハビリの助言を行ったり、高齢者施設では水中運動の助言もされていたそうです。

 当日は10名の方にご参加いただきました。以下、事後アンケートから一部をご紹介します。

参加しようと思った理由:
 「ペルーに行く機会はなかなかないし、未知の国なので知ってみたいと思いました。」
 「以前、ペルーの高校生のホストファミリーをしたことがあります。的野さんのお話も聞きたかったので。」

感想:
 「話も面白く、ペルーのこともよく知ることができた。」
 「初めてJICAイベントに参加でき、よかったです。現地での生活を経験された方に直接話が聞けて有意義でした。」

 
 以上をもって、アフリカから始まった全6回シリーズを無事に終えることができました。10月の開催時も、冒頭にJICAデスク大分より、簡単な導入ワーク『体験談を聞く前と後』を行いました。ご参加された皆様には、個々の体験談を通して見えた新たな国への発見や学び、理解をじっくりと感じて持ち帰ってもらうことができておりましたなら幸いです。

 シリーズを通して、計62名の方々にご参加いただきました。束の間のおおいたde世界旅行はいかがでしたでしょうか?またのご搭乗を心よりお待ちしております!ありがとうございました。

(JICAデスク大分:井本)