<イベント報告・熊本>「コラボカフェ-絵本でひらこう世界のトビラ-」を開催しました!

2021年12月3日

今回のイベントで紹介した絵本の数々

(左上から)キルギスのコムズの演奏の様子(緒方さん提供の動画より)/くるみボタン作り/キルギスのショルポ/ヨルダンのフムスとピーナツバター&ジャムのサンドウィッチ

インドの「つなみ」はこのように蛇腹型になっています。
1冊1冊手仕事で仕上げられた絵本は、その作りもユニークで味があります。

本来の木でできたヴァイオリンと、「スラムにひびくバイオリン」に登場するヴァイオリンとの違いに耳を傾ける参加者のみなさん

11月27日(土)、熊本市国際交流会館1階link Caféにて「コラボカフェ-絵本でひらこう世界のトビラ-」を開催しました。

「コラボカフェ」とは、世界のいろいろな国のお茶や特産品を通して、それらにまつわる文化や歴史を深く味わう講座です。
今回は、お手伝いくださる学生ボランティアや元JICA海外協力隊員含め、11名の方々が参加してくださり、11月30日の「絵本の日」にちなんで、いつもとはちょっとちがう形で世界を旅しました。

世界に約150カ国ある開発途上国。それらの国々を題材にした絵本から、「絵本で世界を学ぼう!」(青弓社)という本に掲載されている絵本を中心に、主に下記の14カ国の絵本をアフリカ大陸から順に紹介しました。
<アフリカ>
・Rakakabe(ラカカベ)(マダガスカル)
・セカリンガと卵(タンザニア)※以下のリンクよりご覧いただけます。
・ミュージック・ツリー(アルジェリア)
<中東>
・カカムラド-なかむらのおじさん(アフガニスタン)
・ふたりのサンドウィッチ(ヨルダン)
<アジア>
・こうまのマハバット(キルギス)
・アタプーの詩(ラオス)
・マンゴーとバナナ まめじかカンチルのおはなし(インドネシア)
・つなみ(インド)
・らくだのなみだ(モンゴル)
<大洋州>
・’Ofa atu(トンガ)
<中南米>
・スラムにひびくバイオリン(パラグアイ)
・まぼろしのおはなし(グアテマラ)
・世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ(ウルグアイ)

これらの絵本に登場する、雑貨、食べ物、楽器、の体験や動画も交えながら進行。
マダガスカルのRakakabeという人食い巨人が登場する絵本では、その背景にアフリカの「カンガ」と呼ばれる布があしらわれており、今回はそのアフリカ布でくるみボタン作りを行いました。
また、ヨルダンの「ふたりのサンドウィッチ」に登場する2種類のサンドウィッチと、キルギスの「こうまのマハバット」に登場する“ひつじのスープ”(ショルポ)を試食していただくと、みなさん様々な反応をされながらも、異国の味を楽しまれていました。キルギスにJICA海外協力隊として赴任されていた緒方美鈴さんから、本場のスープの味やキルギスの実際について話をしていただいたことで、参加者のみなさんもより一層理解が深まったようでした。
楽器は、モンゴルの馬頭琴にキルギスのコムズ、そしてヨーロッパのヴァイオリンと、皆同じ“弦楽器”の仲間でも、その形やつくり、弦の本数や音色が違うということを触れたり聴いたりして体感していただきました。

インドの「つなみ」とラオスの「アタプーの詩」はいずれも実際に起こった災害を題材とした絵本です。インドでは2004年にスマトラ島沖大地震が発生。その際の津波によりたくさんの犠牲者が出ました。ラオスでは2018年にダム決壊事故が起こり、その被害は甚大でした。そんな被害で犠牲になった人たちのことを忘れないためにも、被害を未然に防ぐためにも、これらの絵本は描かれています。日本も両国に同じく天災や事故の多い国として、教訓を後世に伝えていくことの大切さも併せて感じていただけたのではないかと思います。

パラグアイの「スラムにひびくバイオリン」とウルグアイの「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」は、いずれもドキュメンタリー映画があることから、その予告動画等を放映。「スラムにひびくバイオリン」に登場する、古いペンキ缶、アルミニウム、フォーク、木枠の箱の板などでできたヴァイオリンやチェロは、とてもゴミでできているとは思えない音色で素晴らしく、その過酷な状況の中で生き抜き、音楽に希望を見出す若者たちのたくましい姿が印象的でした。「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」のホセ・ムヒカ元大統領は、自らのメッセージをご自身のライフスタイルで示されていることが伺え、その行動力と言葉に胸が熱くなりました。
参加者の方々の中には、いずれの映像でも涙される方が多数いらっしゃいました。

ご参加いただいた皆様からは、「世界に興味があったので参加できてよかった」、「紹介された国々に行ってみたくなった」、「ここのところコロナ禍でなかなか体験できるイベントが少なかったので楽しかった」というお声をいただきました。

今回は元JICA海外協力隊のみなさんにも多数ご協力いただき、お貸しいただいた絵本の紹介やそれぞれの任国への思いについて、コメントもいただきました。
これらの絵本とコメントは引き続き、「途上国の絵本展」として熊本市国際交流会館2階ラウンジにて展示しています。(12月12日まで)

ご参加いただいた皆様、ご協力くださった皆様、本当にありがとうございました。
次回のコラボカフェは2月に開催予定です!

お問い合わせ:
 JICAデスク熊本 担当:尾上(おのうえ)
 電話番号:096-359-2130
 Eメール:jicadpd-desk-kumamotoshi@jica.go.jp