JICA海外協力隊 グローカルプログラム実習生(派遣前型)がJICA九州に滞在しました。

2022年7月20日

7/4(月)-7/9(土)にグローカルプログラム実習生4名がJICA九州に滞在し、オリエンテーションプログラムに参加しました。
プログラム最終日の7/8(金)は、JICA九州のスタッフと共に視察やグループディスカッション等を行いました。

7月8日(金)
朝:JICA九州が定期的に実施する「やはたの日」清掃活動に参加

午前:【福津市津屋崎町の一般社団法人まち家族訪問】
築100年を超える古民家を拠点に、地域住民や来訪者をつなげる場づくり、空き家を有効活用したまちづくりについて話を伺い、街並みを見学。

午後:【北九州市環境ミュージアム視察】
北九州市の公害克服の歴史やSDGs未来都市としての様々な取り組みを学ぶ。
【帰国隊員による講話&グループディスカッション】
福岡県青年海外協力協会会長 庄田清人氏より帰国後に取り組んでいる地域活性化取り組みの紹介、JICA九州スタッフ、国際協力推進員と共に『地域づくりに必要なこと、大事なことは何か?』についてグループディスカッション

実習生(隊員候補生)4名の感想をご紹介します。

JICA九州センターでの研修プログラムの感想 小林 桃子

福津市津屋崎町

北九州市環境ミュージアム

 海から吹く潮風、どこか懐かしい町並みの残る津屋崎千軒。その町に移り住み活動する古橋さんから、これまでの活動のお話を聞き、移住民として地域の方と信頼を築くためのアドバイスを頂きました。そのアドバイスの中の一つが
 “縁を大切にすること”
今日一日の研修の中でも、大切にしたい“縁”がたくさん出来たなと感じています。
 津屋崎の後に訪れた北九州市環境ミュージアム。きれいな水を飲めること、きれいな空気を吸えていること、日本に住む私たちにとって当たり前のことだと思っていましたが、たくさんの日本人が苦しみ、考え、協力し合ってきた過去があることを知りました。これからは、ゴミを分別してから捨てる、食べられる分の食材を買うなど、小さなことから取り組んでいきたいと思いました。また偶然にも、今回館内を案内してくださった方も協力隊OVということで、派遣中の経験から派遣後の話まで、貴重な話を聞くことができました。
 最後に、JICA九州に戻り、福岡県出身の協力隊OV庄田清人さんの地元での取り組みを聞き、JICA九州スタッフの方々とグループに分かれ地域活性化の取り組みについて意見交換を行いました。一つの課題から、様々な意見やアイディアが出される会場に流石協力隊だなと感じました。そして、自分もその場に参加し、いろんな方々とお話しできたことが嬉しかったと同時に、この“縁”を大切にしたいと思いました。
これから始まる芦北町での実習、そして派遣国セネガルではどんなご“縁”があるのか、今からとてもワクワクしています。

JICA九州センターでの研修プログラムの感想 森 大晴

福津市津屋崎町のレンタルスペース“みんなの縁側 王丸屋”にあった黒板

 プログラム前半はオンラインでの講義を中心に、日本の地方創生の事例や、活動を進めるうえでの手法を学ぶことができた。そして最終日には、福津市で地域おこし活動をされている方のところへ足を運びお話を聞き、見学させていただいたことで前半の講義で学んだことを実際の現場で確認することができ、より深く学ぶことができたと思う。また、国際協力推進員の方々や協力隊経験者の方とのお話を通して、派遣活動後の自分をイメージすることができ、これからの活動が非常に楽しみとなった。熊本県でこれから活動を共にする仲間たちとも出会うことができ、活動するうえでよい刺激を受けた。
 これらのプログラムを準備していただいたJICA職員の皆様、快適な宿泊を整えてくださったスタッフの方々に感謝し、JICA九州センターで学んだことを、最初の土台として、これからのグローカルプログラム実習地での活動を開始していきたい。

JICA九州センターでの研修プログラムの感想 堀部 聖人

庄田清人さん(福岡県青年海外協力協会会長)による講話

グローカルプログラム実習生とのグループディスカッション

 JICA九州での研修プログラムを通して、地域の復興に向けて実践例をたくさん学ぶことができ、今後の現場での活動に向けてさらに視野を広げることできました。株式会社「畔道」代表取締役の古橋さんのお話では、福津市における「不動産×町づくり」の活動について学習し、地域の復興には循環型社会を形成する大切さを改めて感じました。以前、福岡に住んでいる時から福津市の人口増加により町の再建が進んでいると聞いていましたが、具体的にどのような活動が行われているかまでは知らなかったので、今回の研修が町づくりについて専門的に学ぶ貴重なきっかけとなりました。
 また、北九州市環境ミュージアムでは、青年海外協力隊OBの平川さんからお話を聞くことができ、現地での活動や帰国後のキャリア形成についてより明確なビジョンを持つことできました。さらには、この一週間の研修プログラムを通して、九州の各県に配属されている国際協力推進員やその他のJICA関係者の方々とのつながりができたことがとてもよかったです。派遣に向けて不安や悩みもありましたが、色々な方々からたくさんのアドバイスをいただき、これからの青年海外協力隊での活動がより一層楽しみになってきました。

JICA九州センターでの研修プログラムの感想 古川 仁

グループディスカッション 古川さん発表

集合写真

 グローカルプログラム研修は、前半がオンラインによる全体研修、最終日は熊本県チームの視察・見学研修でした。オンラインですが、遠距離の多数の実習生と講師をコネクトしてとても幅の広い、オンラインだから可能になる有意義な研修を受講できました。青年海外協力隊小林事務局長にも身近に接することができました。
 海外協力隊が支援する日本国内の地方創生の具体的な多数の事例を学習しました。グローカルプログラムがより具体的が理解できるようになり、また自分たちに託された課題がより実感として把握することができました。
 最終日は、津屋崎町を訪問し、地域振興の実際の事例を学習しました。移住民の受入推進などを通じ、かつて賑わった津屋崎町の賑わいを取り戻すような地域振興の取り組みを学習しました。地域と人が一体となって生きるという意味を改めて考えさせてくれる機会をいただき、グローカルプログラム実習の核心部分に触れるような学習の機会になりました。
 北九州市環境ミュージアム見学では、官営八幡製鉄があった北九州市の環境政策の歴史に焦点を当てながらも、人類の未来へも通ずる環境の問題に焦点を置いた様々な展示から、八幡製鉄所のことから人類の未来を考えることができました。八幡製鉄所の具体的な歴史事実の展示から、自然にSDGsを理解し、人間の未来にとってのSDGsの目指す意味を考えることができるようになりました。
 熊本県人吉市での実習がこれから始まります。研修で学んだPDCAサイクル手法などにより、実態を具体的に把握し、振り返りを行い、地域の人々のなかに溶け込みながら実習を行います。これからの任国での活動に役立つように、自分たちの途上国支援がより効果的になるように頑張ります。