jica 独立行政法人 国際協力機構 jica 独立行政法人 国際協力機構

地域概況

中南米・カリブ

多様な協力ニーズと知日派人材

中南米・カリブ地域は33カ国、人口6.5億人※1を擁し、ジャングルから氷河まで自然環境は多様です。他方、多くの国がスペイン語を公用語とするなど共通する言語や文化を有しています。

地域全体の所得水準は高いものの、域内人口の30%以上が未だ貧困状況※2にあります。地震やハリケーンなど自然災害発生頻度が高い国、治安や移民問題を抱える国のほか、高齢化や心臓病などの非感染性疾患が深刻な国など、多様な協力ニーズが存在しています。

JICAは自由、民主主義といった普遍的価値を共有する中南米・カリブ地域諸国との対等なパートナーシップを念頭に、安定的で強靱な社会・経済開発、貿易・投資などを通じた経済発展を促進するための協力を展開しています。また、300万人※3以上の「最強の知日派」である日系人が暮らし、貿易取引も年間6兆円以上と日本の重要なパートナーである域内では、将来の知日派人材の育成や日系社会との連携強化も進めています。

パートナーシップを基に協力を展開

2023年度は多岐に渡る協力を展開し、気候変動対策やユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)達成に向け、ブラジルとペルー向けの海外投融資を承諾しました。また、パラグアイと宇宙分野での協力を開始。九州工業大学や宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力を得て、農業・防災分野で衛星データを利活用する予定です。グアテマラでは域内の治安改善に向けた国際セミナーを開催し、日本の警視庁の知見を共有しました。

このほか、米州開発銀行(IDB)との間で協調融資の枠組み拡大に関する覚書を新たに締結しました。また、IDBとJICAが連携し実施するスタートアップ企業支援プログラム「TSUBASA」の参加企業が開始した実証事業も、順調に進んでいます。

※1 The World Bank Open Data
※2 Economic Commission for Latin America and the Caribbean(2022)
※3 外務省「海外日系人数推計」令和5年(2023年)10月1日現在