“香り”が創り出す国際協力のカタチ(2023年11月)

《調香師:HARUNAさん派遣報告》

AIPプロジェクト農業分野(AguriCoolTure)のテーマは「農業をとにかくかっこよく」、「農業をより楽に」。
2023 年11月、AguriCoolTureの最初の取り組みとして、フレグランスデザイナーのHARUNAさんとモデルでファッションプランナーの谷裕介さんをドミニカ共和国に派遣しました。
HARUNAさんは、「東京オリンピック TOKYO 2020 VIPルーム 香りの空間演出」を手掛け、国内だけでなく海外でも活躍しています。
今回は観光振興・中小企業振興を進めるドミニカ共和国で「 “香り”で特産品をプロデュースし、農村の魅力を発信できないか」という目的の下、HARUNAさんを派遣し「ドミニカ共和国の人々の香りに対する意識調査」「香りの市場調査や商品調査、アロマのニーズ」、「ドミニカ共和国産のハーブ調査」を実施しました。

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「自分のにおいを意識して1日3かいもシャワーを浴びる生活習慣がある」「オーガニック・ナチュラル系のコスメが人気(いいものにはお金を出して購入)」など、ドミニカ人の香りに対する意識は日本よりも高いことが分かり、香りを活用したマーケットは「十分にある」と判断しました。
また、日系移住の長い歴史を持つドミニカ共和国中部のまち、コンスタンサで日系人の手掛けるハーブ農園などを訪れ、「香りの材料となる様々な植物たちが育っている」と商品素材も確認できました。

HARUNAさんは今回の調査を通して、コンスタンサで育てているハーブや樹木の葉、果物などを使用した精油の蒸留技術支援や子ども達へのロスフラワーワークショップ開催など“香り”市場を生み出していくアイディアを提案しました。特にサンティアゴ市の中小企業支援センターと女性起業家との面談の場にて、旺盛なやる気にあふれた現地の方々と意見交換する中で、海外から輸入した精油を使う従来型の香り商品ではなく、「ドミニカ産の精油」を使用した香り商品の開発におおきなポテンシャルを感じました。
また、国内ラグジュアリーホテルでの販売だけに留まらず、生産したエッセンシャルオイルを観光や保健、子どもや女性支援等、様々な企画に合わせて如何様にも展開できると報告しました。

HARUNAさんは、「香りは国・性別・言語を超えて人間の心と身体にアプローチする力があることを再確認した」「ドミニカ共和国のシンボルとなるアイテムをプロデュースしていきたい」と、香りで創造する新たな国際協力の道を描いています。

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