【ニュース】JICAと地方創生の取り組み報告-みらい共創まちづくり事業-和束まちづくりEXPO-
2023.03.31
京都府和束町は京都府南部に位置し、古くからお茶作りが営まれており茶源郷として美しい茶畑や森林の風景が広がる自然豊かな人口約3千人の小さな町です。少子高齢化に伴う人口減少が著しい中、2021年度から京都府和束町役場地域力推進課や和束町活性化センター等のまちづくり関係者と協働し、同町の活性化に資する新たな地域ブランディングの提案を試行し、今年度までにJICA海外協力隊OB/OGが和束小学校で出前講座を行う「開発協力/国際理解教育支援」、関西圏の大学で学ぶJICA長期研修員(留学生)約20名がお茶摘みを体験した「JICA長期研修員受け入れ」、立命館大学の人材による「古民家再生」や「茶室プロジェクト」、町の資源を活用した「わづかのかおり」を制作した「かおりプロジェクト」、JICAの一村一品運動専門家が進めてきた「中米との意見交換会」といった取り組みを和束町関係者と共に実施してきました。
茶畑や森林が広がる和束町の風景
緑と青のコントラスが美しい段々に並ぶ茶畑
2023年3月19日にこれらの取り組みの成果を住民向けに発表する機会として、和束町役場が主催する「和束まちづくりEXPO」においてJICAが同イベントを共催することとなり、JICA中南米部、JICA関西からも代表が参加しました。なお、同日にEXPO会場に隣接した和束町運動公園において3年ぶりに「茶源郷まつり」が実施されたことから、町内外から約4千名の来場者が同町を訪れ、和束まちづくりEXPOにも多数の参加者が訪問しました。
茶源郷まつりの様子
茶源郷まつりの様子
和束まちづくりEXPO会場外観
和束まちづくりEXPO会場内の茶室展示
展示会場に入ってすぐのJICAブースでは、JICA関西から参加した2名が中心となり、和束町で実施した「開発協力/国際理解教育支援」、「JICA長期研修員受け入れ」、「中米とのオンライン意見交換会」事業についての説明をモニター動画や資料に基づいて共有したほか、既存のJICA事業に関する説明も各種リーフレットを用いて行いました。そのほか、JICAの他自治体における地方創生における取組についての資料(JICA Magazine2022年12月号)なども配布し、中米との地域ブランディングに関するオンライン意見交換会についても来場された方へ説明を行いました。
JICAブースの様子
スタッフ集合写真
JICAブース隣のかおりブースでは、JICA中南米部が実施した「With/Post COVID-19禍下における強靭な社会共創のための人材及びインフラ開発に係る情報収集・確認調査」において調査を進めた「中米・カリブ地域と日本の自治体間連携を通じた開発協力」の一事例として、フレグランスデザイナー瀬間春菜氏に外部人材として業務委嘱を行い、和束町の新たなブランディングに資する「わづかのかおり」制作を行った経過と成果を発表しました。
昨年3月より、二カ月に一度和束町へ出張した瀬間氏が、和束町活性化センターの蒸留器を使用し、町長をはじめ町の皆さんの意見を聞きながら、町に植生するハーブ(ローレル、ローズマリー)や木々(スギ、ヒノキ)から精油(エッセンシャルオイル)を抽出し、茶畑や青空の広がる景観や清々しさを表現した香りを再現するためこれらの精油に柑橘系の香りを配合したスプレータイプの香りを制作しました。
当日は来場者先着120名へ用意したマスクに香りを吹き付ける形でわづかの香りを体験してもらい、今後の事業化に向けたアンケートも同時に実施しました。
かおりブースに並べられた「わづかの香り」完成品
瀬間氏インタビュー動画が上映されているブースの様子
かおりブースの様子
スタッフ集合写真
和束小学校でのJICA海外協力隊OB/OGの出前講座実施や教員研修、長期研修員受け入れは2023年度も継続して実施する予定です。また、立命館大学との連携も更に推進されていくことが期待されております。
「わづかの香り」制作については、3月上旬に今回の和束町の経験を駐日ドミニカ共和国大使館、駐日グアテマラ大使館を発表した結果、この経験を学びたいという両国の強い関心を確認することが出来ました。今後は和束町が主体となって、「わづかの香り」の展開が進んでいきますが、将来的には和束町のまちづくりの経験が開発途上国に伝わり、共創的に世界と日本のまちづくりがなされていくことも期待されます。
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